それぞれの事情から、世界を統べる「ウィザード」のいる都・マギを目指して旅をする白魔女見習いの少女エメラルドと仲間たちの物語、第3巻。
スパーニャ王国の追手を避け、密林に踏み込んだエメラルド一行。しかし、今度は研究のために滞在していたマギの科学者に捕らえられてしまい……という展開。タイトルにもなってるわりに科学者の人はあまり出張らず(←あれで?)、それよりも増える一方かと思っていた脇キャラがいったん整理されたり、組織や個人の微妙な利害でつながったエメラルド一行の関係が描かれたり、今後へ向けての要点整理が行われた巻、という印象。
読んでる間、あいかわらず糖度の低い話だなぁと思わず苦笑してしまったり。「宝石」であるがため否応なく騒動の中心に据えられてしまうエメラルドは……とりあえず頑張れ、としかいいようが(酷) あと、ウォレスは(一応)ヒーローと思われる位置にいるくせに、ちっともそうは思えないエメラルドへの数々の態度&腹黒&毒舌ぶりがいっそ清々しい。歴代ウィザードの記憶と自分の感情をもてあまし苦しんでいる様子など、彼の抱える事情も分かってるんですが、それでも、ねぇ。その他、新たなウィザード候補アトラスの登場の登場も興味深かった。この話の中ではまぁまともといってもいい人で、エメラルドに向ける感情はウォレスとアルフェッカほど極端ではなく家族への親愛程度なので、「うわーなんか普通だ」と変なところで感心。おまけに、アルフェッカが少し冷静になるきっかけともなるなど、いろんな意味でダークホースな人でした。
さて、スパーニャの追手や科学者とはこれで何とか縁が切れそうですが、次の国ではどんな騒動が待っているのか。エメラルドとウォレスの関係とあわせて、続刊が気になるところです。
『オイレンシュピーゲル肆 Wag The Dog』[冲方丁/角川スニーカー文庫]
テロの脅威に晒されている都市・ミリオポリスの治安維持部隊MPB遊撃小隊に所属する3人の少女たちの物語、第4巻。
読了後、今回は両シリーズあまり間をおかずに発売となったおかげで、「スプライト」で上がったテンションそのままに「オイレン」読破できたのが良かったなーとつくづく思いました。2巻のときはそれがちょっと残念だったので。
で、「スプライト」側とは一見別なようで根っこは同じ事件に挑んだこの4巻。状況の過酷さは負けず劣らず(個人に降りかかった災難では微妙にこちらのほうが酷かったかも。主に陽炎のアレとか)ですが、こちらはより「個人」にスポットを当てている印象だったかな。ある経緯から利益共同者となったパトリック氏と行動を共にする中で精神的に成長し、またレベル3の転送を実行しながらも正気を握りしめ続けた涼月、思いがけない危難やミハエル中隊長への想いなどに揺さぶられながら戦場に立つ陽炎、そしてもはや超能力といってもいいんじゃないかと思うほど他者の心を理解するようになりさらに自身も「痛い」ということを思い出した夕霧と、3人娘がそれぞれにさまざまな出来事によって心と体に傷を負い、悩み考えながら、それでも前に進んでいく姿には胸にこみあげてくるものが。その他、話の本筋では、虚無に喰われた敵の特甲猟兵兄弟、「七人目の証人」、そして短い邂逅の中で彼に手を伸ばし続ける夕霧などが、それぞれ哀しく印象に残りました……。
「スプライト」組との共同戦線では、あのとき涼月はこんな状況&心境だったのか、といちいち納得しながら読み進めた感じ。「スプライト」で鳳の導き手となったレイバース捜査官といい、今回のパトリック氏といい、2巻で登場した人の影響で「この世界では敵役とまではいかなくても、憎まれ役なのか?」と思っていた(この作品での)某合衆国に所属する人々への好感度が急上昇しました(←単純) 渋くて格好良い小父さまは大好きです。あと、最終戦での陽炎の心の声にちょっと笑った。
さて、こちらも「スプライト」同様残り2冊で完結となるのでしょうが、そこでどのように彼女たちの「成長と卒業」が描かれるのか。そして、三人娘それぞれの恋はどうなるのか。5巻が今から楽しみです。
プチ同窓会。
他県で就職している高校時代の友人たちが連休で帰郷中なので、みんなで飲もうということで。
久しぶりに残業をしないでとっとと退勤し、待ち合わせ場所へ。
最近いろいろストレス溜まっていたのですが、食事しながらのんびりおしゃべりして、ちょっとリフレッシュできました。
転職計画中が私以外にも何人かいて、そういう意味でも元気づけられてきましたし。やっぱり、あとで後悔しないようにしないとねー。
0804購入メモ(その5)。
WordPress2.5.1にアップグレード。
一昨日Roadmap見た時にはまだ46%ぐらいだったような気がするのですが……。
どこが変わったのかよくわかりませんが、バグフィックスが結構多いみたいなので、さっさとアップグレード。
以下、次回バージョンアップ時に本体ファイルのどこを変更していたのか忘れないための自分用メモ書き。
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