『トゥインクルスター・シューティングスター』[吉川トリコ/集英社コバルト文庫]

 自覚の有無にかかわらず、それぞれに悩みを持つ思春期の女の子4人。ある夜、彼女たちの前に天使が現れて……という、現代ファンタジー・オムニバス。最初は購入予定になかったのですが、本屋さんでふと見かけたときになんとなく呼ばれたような気がして購入。

 なんというか、とてもかわいい話でした。収録作は4編で、それぞれ別の女の子&天使ペアがメイン。あらすじでは天使と同じぐらい出番がありそうな悪魔は最初の2話にはそれなりに出番があるけれど、後半2話ではほとんど出オチのような扱いだった。まぁ、天使と悪魔のドンパチがメインじゃないからなんでしょうが、もう少し活躍(というか暗躍というか誘惑というか)してくれても良かったなーとは思う。
 お話としては、それぞれの女の子たちが担当天使との関わりの中で、自分が内心ぐるぐるもやもやしている問題と向き合って、一歩を踏み出すという流れ。ある意味、古き良き少女小説であり、清く正しいジュブナイルという感じかな。どの話もきちんと終わっているので、安心して読めます。
 登場する女の子は多少デフォルメされているものの、「ああこういう子っているよね……」とか妙に納得する等身大の子たちだったので、たまに過ぎ去った学生時代を思い出して遠い目をしつつ、少しだけ子供時代を抜け出した彼女たちの姿には微笑ましい気分にもなりました。あ、導入部はそれぞれの視点で語られるのですが、当然それぞれの個性があるわけで。「この子視点だとそーなるのね」とちょっと面白かった。

 初めて読む作家さんでしたが、なかなか面白かった。別の作品もあらすじで波長が合いそう&機会があったら読んでみようと思います。

作品名 : トゥインクルスター・シューティングスター
    【 amazon , honto
著者名 : 吉川トリコ
出版社 : 集英社コバルト文庫(集英社)
ISBN  : 978-4-08-601368-0
発行日 : 2009/12/25

お正月休みにさっくり楽しめそうな本を考えてみた。

deltazuluさんとTwitter上でpostしてるあいだにそんな話になって、選んでみた。
おむらさんの「年末年始に読むライトノベル2009」やななきさんの「年末年始に読む本」という記事の影響も多々あります。
ちなみに今回は、
(1)発行年度は無視。ただし、入手困難な作品は除く。
(2)切ない系・重い系・後味悪い系禁止。(新年早々だし気軽に楽しめるほうが良いかな、と)
(3)シリーズものはあまり冊数が多くないor話にある程度区切りついてること。
以上の条件で選んでみました。
“お正月休みにさっくり楽しめそうな本を考えてみた。” の続きを読む

『プリンセスハーツ ~誰も代わりにはなれないの巻~』[高殿円/小学館ルルル文庫]

 大国パルメニアを征服するという目的のため手を組んだ仮面夫婦と主従の戦いと、関係の変化を描くシリーズ第6巻。今回は新法王の初行幸を仰ごうと手を打つアジェンセンの動きと首席秘書官マシアスの過去が新たな波乱を呼び寄せ……という展開。プリハーのこれまでの傾向を見るに、多分これも、上下巻構成の上巻になってるのかな?と思ったりした。

 話としては溜めの巻、になるかな。ただ、ルシード個人にとっては腹心の部下だったマシアスが失踪したり、政治的な判断もあってリドリスに恩赦を与えることになったりと、精神的に地味にいろいろ積み重なってる感じ。ジルとの関係にしても、なかなか一筋縄ではいかないし……これはルシードだけでなくジルにも当てはまることですが、自分たちは「仮面夫婦」なんだから相手が自分に興味を持ったりましてや特別に思うはずがない、と思いこんでるのが厄介ですよねー。二人のすれ違いらぶはニヤニヤする一方で、もどかしくもあります。つーか、お互いに言葉が足りないんだってば!
 その他印象に残ったのは、マシアスの過去でしょうか。正直、想像していたよりも重かった……これまでは常識人?のツッコミ要員という認識だったのに、ちょっと印象が変わった。しかし、彼が何故パルメニアを憎悪するに至ったのかが、これだけだとまだ分からないんですよね。次巻以降、失踪の理由含めて明かされていくんだと思いますが、彼を巡る物語がどのように動いていくのかも気になるところ。

 次巻は、またもや嵐が吹き荒れそう。果たしてアジェンセンの面々がどのように事態を切り抜けていくのか、そしてメリルローズやリドリスの真意はどこにあるのか、巻末短編ではごろごろいちゃいちゃしていたキキ(ジルの姉)と王様はこれからどう絡んでくるのか。続きがとても楽しみです。

 ところで、「銃姫」最終巻での諸々の描写から「もしかして?」とは思ってましたが、直球で正体バレが来たよ!な某悪神(案の定、話は随分ねじ曲がって伝わってるようですが) うーん、「力」だけがまだ残っているのか、それとも「精神」もまだ残っているのか、その辺の判別材料が欲しいなぁ。しかしこうなると、マシアスの妻子絡みもあるし、前回限りのゲスト扱いかと思っていた継承者の二人もまだ出番あったりするのかなぁ、といろいろ考えてしまいますね。

作品名 : プリンセスハーツ ~誰も代わりにはなれないの巻~
    【 amazon , BOOKWALKER , honto
著者名 : 高殿円
出版社 : 小学館ルルル文庫(小学館)
ISBN  : 978-4-09-452141-2
発行日 : 2009/12/26

2010年・年始の挨拶。

明けましておめでとうございます。
旧年中は「空想堂」をご贔屓にしていただきまして、ありがとうございました。
2010年ものんびり更新していくつもりですので、よろしくお願いいたします。

毎年恒例の挨拶も終わったところで、今年の目標設定。
まずは一つは転職。去年も言った気がするけれど、担当した仕事の関係でほとんど動けなかった反省を踏まえて。昨今の経済状況を見るにそうそう簡単にはいかないとは思いますけど、まぁ、自分なりに活動しようと思います。
あと、これは毎年恒例の目標になりつつありますが、めざせ資格げっと!ですね。特に日商簿記1級は今年こそ頑張ろうと思います。そのためには、もう少し計画的に勉強しないとね。工簿とか工簿とか工簿とか……。
その他、リバウンド気味な体重をもう少し減らす&標準体重維持するぞ!とか部屋をこまめに掃除するぞ!とかこまごまとした目標を設定しつつ。無理しない範囲でいろいろやっていきたいと思います。