『プリンセスハーツ ~誰も代わりにはなれないの巻~』[高殿円/小学館ルルル文庫]

 大国パルメニアを征服するという目的のため手を組んだ仮面夫婦と主従の戦いと、関係の変化を描くシリーズ第6巻。今回は新法王の初行幸を仰ごうと手を打つアジェンセンの動きと首席秘書官マシアスの過去が新たな波乱を呼び寄せ……という展開。プリハーのこれまでの傾向を見るに、多分これも、上下巻構成の上巻になってるのかな?と思ったりした。

 話としては溜めの巻、になるかな。ただ、ルシード個人にとっては腹心の部下だったマシアスが失踪したり、政治的な判断もあってリドリスに恩赦を与えることになったりと、精神的に地味にいろいろ積み重なってる感じ。ジルとの関係にしても、なかなか一筋縄ではいかないし……これはルシードだけでなくジルにも当てはまることですが、自分たちは「仮面夫婦」なんだから相手が自分に興味を持ったりましてや特別に思うはずがない、と思いこんでるのが厄介ですよねー。二人のすれ違いらぶはニヤニヤする一方で、もどかしくもあります。つーか、お互いに言葉が足りないんだってば!
 その他印象に残ったのは、マシアスの過去でしょうか。正直、想像していたよりも重かった……これまでは常識人?のツッコミ要員という認識だったのに、ちょっと印象が変わった。しかし、彼が何故パルメニアを憎悪するに至ったのかが、これだけだとまだ分からないんですよね。次巻以降、失踪の理由含めて明かされていくんだと思いますが、彼を巡る物語がどのように動いていくのかも気になるところ。

 次巻は、またもや嵐が吹き荒れそう。果たしてアジェンセンの面々がどのように事態を切り抜けていくのか、そしてメリルローズやリドリスの真意はどこにあるのか、巻末短編ではごろごろいちゃいちゃしていたキキ(ジルの姉)と王様はこれからどう絡んでくるのか。続きがとても楽しみです。

 ところで、「銃姫」最終巻での諸々の描写から「もしかして?」とは思ってましたが、直球で正体バレが来たよ!な某悪神(案の定、話は随分ねじ曲がって伝わってるようですが) うーん、「力」だけがまだ残っているのか、それとも「精神」もまだ残っているのか、その辺の判別材料が欲しいなぁ。しかしこうなると、マシアスの妻子絡みもあるし、前回限りのゲスト扱いかと思っていた継承者の二人もまだ出番あったりするのかなぁ、といろいろ考えてしまいますね。

作品名 : プリンセスハーツ ~誰も代わりにはなれないの巻~
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著者名 : 高殿円
出版社 : 小学館ルルル文庫(小学館)
ISBN  : 978-4-09-452141-2
発行日 : 2009/12/26

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