『薬屋のひとりごと 8』[日向夏/ヒーロー文庫]

中華風架空王朝を舞台にした宮廷ミステリ&ラブコメ、8巻目。

今回はなろう掲載中のWEB版壬氏編1~26を加筆修正した内容。変人軍師・羅漢主催の碁大会がメインなので息抜き的な気分で読んでいたら、最後に不意打ちを喰らった感じ。彼の猫猫に対する感情を否定はしないけど、それはちょっと待てー!と言いたくなるやつだった。いや、猫猫も別に彼を嫌ってはいない(むしろ彼女の基準に照らし合わせればかなり情は移ってるし好意的だけど)とわかってるけど、彼らの立場的にすんなり結ばれるのは難しいだろうと見当もつくけど、まさか変人軍師に使った手の(ある意味で)変形版かつ強硬手段でくるとは……うーん、妙なところで思い切りがいい。彼らの関係にとってこれがひとつの転換点になるのは間違いなさそうですが、この先が楽しみなような不安なような。彼絡み以外でもなんだかんだと人がいいというか信頼されると裏切れない猫猫には頑張ってと言いたくなりましたね……。あと、どうやら「約束」が守れなくなってしまった帝は、うん、ご愁傷様です。
らぶ(?)方面以外では、玉葉后の親族周りや外敵、飛蝗問題など問題がじわりじわりと進行中。次巻以降で本格的にこの辺りの問題に取り組んでいくのだろうけれど、どんな決着が待っているのやら。個人的には今回あからさまに示唆された感がある阿多の現状と小蘭の勤め先が気になってるんだけど、今後関わってくるのかな。

作品名 : 薬屋のひとりごと 8
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著者名 : 日向夏
出版社 : ヒーロー文庫(主婦の友社)
ISBN  : 978-4-07-436884-6
発行日 : 2019/2/28

『天冥の標X 青葉よ、豊かなれ PART3』[小川一水/ハヤカワ文庫JA]

大河SFシリーズ最終章完結編。

冥王斑を持って銀河を席巻するミスチフ=オムニフロラ。太陽系人類が対抗手段として打ち出したのは、新たな「魅力的な種」を生み出すことだったが……という前巻の展開から、あと1冊でどう物語をたたむんだろうと思ったら! ここまできてまたそういうどんでん返しするのー!?と言いたくなるような展開からそれでも諦めないヒトたちの戦いとそれぞれの決着、そこからさらに先へと続いていく歩み、そして、人が抱く願い――と、これでもかというぐらいに1冊にいろいろと詰め込まれていた感じ。しかも、その詰め込み具合がバランスが良くて無理やりまとめた印象はないという。さすがに大局的な視点がやや増量された関係か、個々の物語の結末はご想像におまかせします、なところもあったけれど。
どこを語ってもネタバレになりそうなのですが、とりあえずお気に入りの場面は181p.でのアクリラの名乗りと、292p.でのリリーの宣言ですね。あと、断章九一の先にはどんな世界が広がっているのか、彼らの旅路を見てみたくなります。いつか何らかの形でサブエピソードとして発表してくださったら嬉しいなあ。そして、その名が10巻のサブタイトルにもなっている彼女のエピソードには、PART1で描かれた彼女の親友サイドのことも思い出して、ただ涙しました……

全10章17冊、約10年付き合ったシリーズの完結だけに、本を閉じたときは「ああ、読み終わってしまったんだなあ」と、ちょっとしんみりしつつ、この物語を書ききってくださった作者様に、最大級の感謝を捧げます。

作品名 : 天冥の標X 青葉よ、豊かなれ PART3
    【 amazon , BOOKWALKER , honto
著者名 : 小川一水
出版社 : ハヤカワ文庫JA(早川書房)
ISBN  : 978-4-15-031362-3
発行日 : 2019/2/20

『Cendrillion palikA』プレイ感想メモ。

携帯ゲーム機が今後一択になりそう&それに伴ってネオロマや無双等よく購入してるコーエーも機種移行を進めていきそうなことと、通販サイトのポイントが結構溜まってたので購入したNintendoSwitch。今のところインディーズゲーム中心に遊んでるいるんですが、乙女ゲーム系ではオトメイトが完全新作を出していたので、購入してみました。

システム的には、オトメイトのゲームにしてはわりと快適なほう? ちょっと時間はかかるけど選択肢までスキップもあるのでストレスは比較的少なめ。エンドリストがないのは人によってはマイナス点かも。あ、あとキャラの名前はあえて漢字ver用意せずカタカナだけで良かったんじゃね?と思いました。正直、わかりにくいというかなんというかだし。
ストーリーは、ガラスの呪いがかけられた街・透京に暮らす少女が、ある日出会った自称「魔法使い」に彼女だけがこの呪いを解くことができると告げられ、解呪のため協力者と行動をともにする――というのがおおまかなあらすじ。キャラ紹介が共通2章までで、その後は協力者候補から1人を選んで個別ルートに突入します。だいたい主人公によるカウンセリング恋愛になりますが、互いに惹かれていく過程がわりと丁寧で納得できるし、呪いを解く方法もキャラごとに違うから金太郎飴展開はなし。展開や設定等はふんわりしている部分も多々ありましたが、それがおとぎ話や寓話めいた雰囲気を演出しているようにも思えました(好意的解釈)

以下、キャラ別感想。できるだけネタバレしないようにはしてますが、一部触れてるところはあります。
“『Cendrillion palikA』プレイ感想メモ。” の続きを読む

作品名 : Cendrillion palikA( 公式サイト
    【 amazon
メーカー : オトメイト/アイディアファクトリー
プラットフォーム : Nintendo Switch
リリース日 : 2018/10/25

『神様は毛玉 ~オタクな霊能者様に無理矢理雇用されました。~』[栢野すばる/二見サラ文庫]

主にTL、BL方面で活動されている作者さんの、らぶなし一般対象作品。新レーベルの創刊ラインナップの1冊だったようです。最近たまたま読んだ作者さんのTL作品の描写が丁寧で楽しめたので、他の作品も読んでみようと購入しました。

轢き逃げされたサラリーマン・啓介が偶然近くにいた神様・しろに助けられたはいいものの、魂レベルで神様と結びついてしまったがために、神様を相棒に邪気払いを生業としていた霊能者・忍の助手をすることになって――という感じのライトホラー集。
収録されているお話は全部で3編、どれも人間の悪意が具現化したもので冷静に考えるとなかなか怖い。とはいえ、メインの2人と1柱(というか1匹)が方向性こそ微妙に異なるもののそれぞれ「いい人」なのが影響してか、全体的な雰囲気が柔らかくてわりとゆるーい感じで深刻になりすぎずに読めるのが良かった。あと、諸々あってもふもふの毛玉になってるしろがかわいい。かわいいは正義。

三者の関係が安定&ちょっと進展したところで幕が下りているから1冊完結でおかしくないけれど、続編があったら読んでみたいかも。

どうでもいいけど、ソシャゲ廃課金勢の忍にはちょっと遠い目になりますね……。

作品名 : 神様は毛玉 ~オタクな霊能者様に無理矢理雇用されました。~
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著者名 : 栢野すばる
出版社 : 二見サラ文庫(二見書房)
ISBN  : 978-4-576-18105-9
発行日 : 2018/7/11