『帝冠の恋』[須賀しのぶ/集英社コバルト文庫]

 須賀しのぶさんの新作は19世紀のオーストリア系ハプスブルグ家で繰り広げられる禁断の愛の物語。

 主人公は、某ヅカの歌劇でも有名なエリーザベト、ではなくそのお姑さんにあたる大公妃ゾフィー。……この選出の時点でさすが須賀さんだと思う。なんというか、微妙にマニアックなところを突いてくるよなこの人……。えーと、そんな雑感はともかく内容を要約すると、第二のマリア・テレジアになるのだと理想に燃えて嫁いできた彼女が、婚礼舞踏会で「運命の相手」に出会ったことから始まる心に秘めた愛と葛藤を描いた、王道といえば直球王道な話でした。話そのものも普通に面白かったですが、さらりと読めるわりに当時の世情やらが分かりやすく書かれていて、歴史オタクとしても楽しめました。(このあたりの時代に詳しい人が読んだらどう思うかまでは分からないけど、須賀さんなら考証もしっかりしてるだろうと勝手に信頼)
 ……どうでもいいけど、相手役のスーパーセレブな昔の少女マンガ風王子様とのやりとりはわりとどうでもよく(酷)、政略結婚相手で最初は疎遠→徐々に信頼&愛情が築かれていくカール大公や辣腕宰相(しかし時代に合わなくなってきている)メッテルニヒとの駆け引きのほうが楽しかった私はやっぱり少数派なのかなーと思ったり思わなかったり。

 さて、あとがきによれば次は「アンゲルゼ」の2巻になるとのこと。あのシリーズも勿論先が気になりますが、たまにでもいいからこういう歴史系の作品ももっと書いて欲しいです。そのうち、須賀しのぶヨーロッパ歴史小説集とか出せるぐらいに(笑)

作品名 : 帝冠の恋
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著者名 : 須賀しのぶ
出版社 : 集英社コバルト文庫(集英社)
ISBN  : 978-4-08-601151-8
発行日 : 2008/4/1

『封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ3』[霜島ケイ/小学館ルルル文庫]

 長編伝奇シリーズ「封殺鬼」。若干14歳にして神島の当主となった少女・桐子をメインに据えた昭和編・「鵺子ドリ鳴イタ」第3巻。

 前巻で、家人との関係に戸惑いを覚え行動をとることを躊躇っていた桐子が、いよいよ覚悟を定めて反撃を開始する、というのが今回のおおざっぱな内容になるでしょうか。かつての事件を思えば、彼女が覚悟を定めるのにどれほどの葛藤があったことか。それらを全て呑みこみ、傲然と前を向いて進みだした彼女の姿に思わず惚れ惚れ。彼女だけでなく、弓生と聖、そして宇和野といった脇を固める面々もそれぞれ良い味出してます。
 一方、「神島」とはやや異なる位置から事態に深く関わっている志郎。今回は「神島」の遠縁であるが故の出来事がありましたが、まさか、あの場面でああいう形の切り返しをするとは。つーかこの人、平時はぐーたらとしているくせにここぞという時の行動がどうにも格好良いですね。加えて、桐子との「友達」関係では気ままに振舞っているようで、実際は年長者として桐子をそれとなく気遣っているなど、そういう懐の深さを感じる対応を取っているあたりで、また格好良いなーと思ってしまいました。……ところで、あとがきで将来の桐子との関係が正式に明かされましたが……今の状態からそうなるまで、いったいどういう経緯があったのかがものすごく気になるところ(笑)

 さて、今回もとんでもない場面で以下続くになってますが……まだ相手が有利に進めている状況をどのように覆していくのか、4巻が楽しみで仕方がないです。できるだけ早く読めるといいなー。

作品名 : 封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ3
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著者名 : 霜島ケイ
出版社 : 小学館ルルル文庫(小学館)
ISBN  : 978-4-09-452061-3
発行日 : 2008/4

WordPress2.5にアップグレード。

待ちに待った2.5ということで、早速アップグレード。
特に問題なく移行終了……ってあれ、なんでカテゴリーアーカイブが表示されないんだ(汗)
デフォルトテーマに変更しても表示されないし……ここは最優先で確認が必要か。
とりあえず、原因が分かるまではカテゴリーメニューをサイドバーから撤去。
あと、管理画面が大幅に変わっているので、慣れるまで少し時間がかかりそうだなー。

追記:カテゴリーアーカイブの表示、パーマリンク設定→カテゴリーベースのリンクを指定で問題解決ー。
パーマリンクをカスタマイズ設定している場合は指定が必要になったのかな?
ともあれちゃんと動作するようになったのでサイドバーにもメニューを復活させておく。

以下、次回バージョンアップ時に本体ファイルのどこを変更していたのか忘れないための自分用メモ書き。
“WordPress2.5にアップグレード。” の続きを読む

合掌。

……みりおんぐらむのt-snow様の3月28日購入本を拝見して、なんとなく。
いやまぁ、1巻だけで読むのをやめればちゃんと完結していると受け取れなくもないから精神的ダメージもないでしょうが。
しかし、4巻まで読むと本気で某群青編集部を呪いたくなると思いますよ?