ヴィクトリア時代の英国貴族の館を舞台にした物語、1年3か月ぶりの新刊。
今回はレイチェルの以前の勤め先でのトラブル(&それに付随する噂話)暴露などがあったものの、全体的には割と平和な雰囲気だったので、安心して読めました。……その分ここからの突き落としがあるんだろうなぁと、今から気が気じゃないわけですが。つーか、さっき目次見直して気がついたハウスパーティー始まってからの話のタイトルが「まぼろし」というのがまた意味深長……。
内容的には、メイドのメアリの良い人っぷりや子供たちの姿に和んだりしながら、「春」のメインと思われるウィルとレイチェルの関係と変化についても、しっかり描き込まれているという濃さで、堪能いたしました。しかし、双子のいたずらに対するウィルのしつけは強烈だった。まぁでも、手法はちょっと過激でも、あれぐらいしっかり叱ってもらえた経験というのはのちのちの糧になるよなーと思ったり思わなかったり。
あと、幻冬舎のサイトでダウンロード販売されている後日談『Honey Rose』も読んでみた。ライナス大人になったねぇとかその後のウィルとレイチェルの関係とかグレゴリーは変わってないなぁとか逆にヴィンス変わりすぎとかザックは実に素敵なキャラになったとかロレンスは反抗期ですかとか伯爵あの後もまだ子供作ってたのかとか色々衝撃でしたが、中でも終盤で登場したアルの姿には、思いっきり動揺した。いや、内面はあまり変わってないので安心したけど! で、明らかになった伯爵家の歪みの元凶だった人は、まぁ、予想通りだったので何とも。でも、あの人が協力していたのは吃驚だったかも。
作品名 : Under the rose 5 春の賛歌 【amazon ・ boople ・ bk1】
著者名 : 船戸明里
出版社 : 幻冬舎(バーズコミックス)
ISBN : 978-4-344-81171-3
発行年月 : 2008.3