宝塚宙組「アナスタシア」を観た話。

リスケジュールにより当初の予定から数ヶ月遅れで開演となった、宙組公演「アナスタシア」。
思い返せば4月。良席がご用意されていた同タイトルBW版の日本初演が新コロのせいで大阪公演全中止となり涙に暮れたあの日の悲しみを浄化するべく、観劇はよほどでなければ当面1公演1回or1日だけの自分ルールに特例を設けてA・Bパターンで2回観劇してまいりました。以下、あまり難しいことは考えてない感想。

・今回の公演内容は、ロマノフ王朝最後の皇帝の末娘・アナスタシアが革命の手を逃れ生き延びていたという伝説を下敷きにした、1997年のアニメ映画をベースに作られたBWミュージカル「アナスタシア」の宝塚版(説明が長い)
・で、感想なんですが。「楽しかった―!」の一言に尽きますね! いや、最近実は一番好きな組なんじゃ?と薄々気が付き始めている月組の脚本演出が配信で見直してもやっぱりNot For Me(但し、ジェンヌさんのパフォーマンスは最高)でしょんぼりしていた少し後のAパターン観劇だったから、余計に好印象になった気もしますが。それにしても、なんでそうなるの?といちいちツッコミ入れないですむストレスのない自然な流れの脚本、最高。
・宝塚版なので主人公は明確にディミトリ(真風涼帆)になるかと思いきや、彼も中心にいることは確かなんだけれど、アーニャ(星風まどか)とのダブル主人公と感じるぐらいの比重。最初は記憶喪失のアーニャをうまく利用するつもりだったのが次第に本当にアーニャがアナスタシアなのではと考えはじめてからのディミトリの変化と主に皇太后との会話で表に出される生来の誠実さ、失われた記憶の欠片をいくらか取り戻しながらも最後に自分が本当に望む道を選んだアーニャの力強さが印象的でした。
・あと、ミュージカル版オリジナルの敵キャラのソ連将校グレブ(芹香斗亜)は、街で出会ったアーニャに一目惚れして気にかけつつ与えられた命令に葛藤する青年将校という感じで、過度に恋愛によりすぎない描写が良かったです。
・ディミトリの相棒でかつて王宮に出入りしていた偽貴族のヴラドは、BW版ではやや年配の役者さんが演じられる役だと思いますが、宝塚版では演じるのは桜木みなとさん。ディミトリたちよりは年配だろうと推測はできるけれど、そこまで年が離れていないお兄さんとか先輩とかぐらいの印象で、ややコミカルな役を好演されていました。うさんくさいけどチャーミングで憎めない。
・ヴラドの元恋人でマリア皇太后の侍女リリーは、普段は男役の和希そらさん。力強いナンバーに、勝ち気で有能な迫力ある女性像が印象付けられました。そんな女性がヴラドみたいなちょいダメ男に引っかかるのはご愛嬌という感じか。
・寿つかささん演じるマリア皇太后は、さすがの貫禄というか。家族と認めた少女が本当に幸せになる道を迷いなく選べるようにという後押しと別れだったんだろう、最後にアーニャに贈った言葉の優しさに涙。
・随所に用意されているコーラスがまた良くて、それだけに、やっぱり生オケで聴きたかった……という思いがどうしてもつきまとってしまった。ひとりオーケストラピットでタクトを振られる指揮者のお姿に、一日も早く、最初はフルメンバーではなくてもオーケストラの方々が戻ってこられる日が来ることを祈らずにはいられませんでした。
・BW日本版観られなかった悲しみは、今回の観劇で少し浄化された気がします。しますが、それはそれとしてあちらもキャスト変更なしで早いうちに再演してほしいな……。

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