庶民派少女ミレーユと、周囲の個性的な面々が繰り広げる王道ラブコメファンタジー、第12巻。この巻から新章「花嫁修業編」突入。雰囲気的には、シリアス寄りだったシアラン奪還編からアルテマリス編のコメディ寄りに戻ったかな。
……序盤から砂吐くかと思った(真顔) なんだこの急激な糖分&床ローリング度急上昇は……と思う程度に、ようやく両想いになったミレーユとリヒャルトのいちゃいちゃが破壊力強かったです。そんな甘々カップルと間近に接するために塩を常備するジャック隊長の苦労には大笑……もとい、涙を誘われますね。その他、新旧キャラも絶好調でした。とりあえずフレッドはいつでもどこでもフレッドだなぁ……と思った。それから、キリル君に関してはおおよその読者の予想がそうだと思いますが、とても残念な勘違い(もしくは妨害をされた)という可能性が高そうかなぁ、と。
お話的には、国を取り戻して一件落着、とはいかず。いろいろと頭の痛い問題が持ち上がって……な展開。正直なところ、「『身代わり伯爵の誓約』で大きな問題にはある程度終止符が打たれたしもうシリーズ大団円でいいんじゃないかなー」と思っていたりしたのですけれど……あそこで「めでたしめでたし」で終わらなかった以上、必然的に残った問題は解決していかないといけないわけで。まぁ、そんなこんなで発生するトラブルに対してミレーユ(+周囲の人間)が走りまわるドタバタ劇で、普通に面白かったというか。話を無理矢理続けた感もなく、これまでどおりの感覚で読めたのが一番うれしかったですね。(いや、よくあるじゃないですかそういうの……)
今回の問題は無事クリアしたものの、波乱の種はすでにいくつか撒かれているようすで。これから先、どういう展開になるのかが気になるところです。
読書メーター・1005データまとめ。
読書メーター記録の「2010年5月に読んだ本」まとめー。
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『プリンセスハーツ ~君は運命の人だからの巻~』[高殿円/小学館ルルル文庫]
大国パルメニアを征服するという目的のため手を組んだ仮面夫婦と主従の戦いと、関係の変化を描くシリーズ第7巻。今回は幕間劇というか、仮面夫婦や脇役たちのエピソードを集めた短編集でした。
本編がまたえらいヒキとなってるところでの短編集だったので、正直ちょっと拍子抜けもしましたが、読んでみるとこれはこのタイミングで挟んでおくのがベストかもなぁ、という気になりました(多分、本編はこれからますますシリアス度アップしていくだろうという見込みも含めて)
各短編の内容は、なんというか、思ってたよりもらぶ要素が含まれていてとてもニヤニヤいたしました。とりあえず、仮面夫婦はもう「仮面夫婦」の単語を返上したほうがいいと思った。自覚がない&お互い根本的に勘違いしてるからすれ違ってるだけで、端から見てたらあんたら……!な状態だし。あと、ジルの侍女・リュリュカの恋のはじまりは微笑ましいというか、頑張れ恋する女の子!な気分に。本編で不穏なことになってる彼が、何とか早期に無事帰還して、彼女のアタックに対処する姿が見たくなりますね。
そんな感じで普通にニヤニヤ楽しいお話もある一方で、ケイカとオースの過去話のような切なく苦い話やミゼルコリドの目的がちらりと見える話もあり。本編とのつながり・今後の展開妄想的にも興味深かったです。ミゼルの情報には、また新しい疑問が出てきたしな……
さて、次は本編再開となるようで。オース王子の逆襲やジルの自覚など、いろいろ楽しそうなのでとても楽しみです。
1005購入メモ(その2)。
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『史伝吉田松陰 「やむにやまれぬ大和魂」を貫いた29年の生涯』[一坂太郎/学研M文庫]【amazon ・ boople ・ bk1】
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『東京レイヴンズ1 SHAMAN*CLAN』[あざの耕平/富士見ファンタジア文庫]
「Dクラ」「BBB」に続くあざのさんの新シリーズは、陰陽術が一つの技術として用いられている現代日本を舞台にした和風伝奇もの。
お話的にはシリーズ1巻目らしく登場人物紹介を兼ねた開幕編でしたが、スロースターターなあざのさんにしては最初からかなりアクセル踏み込んでるなーという印象。友情ありラブありバトルあり、内容盛りだくさんで素直に面白かった。それにしても春虎は鈍すぎる……これから先、夏目が必要以上に苦労する姿が目に浮かびます(笑)
あと、バトル担当が1巻時点でかなり場数を踏んでた前2シリーズと比べて、まだまだ未熟なコンビがわたわたしながら頑張る姿はちょっと新鮮だったかも。この二人が今立派な「大鴉(レイヴン)」に成長していく過程もとても楽しみです。
さて、次からは陰陽塾での春夏冬トリオの学生生活編になるようですが……土御門夜光に絡む数多の謎がどのように解きほぐされていくのか。その他にも大小こまごまと気になることがありますし、以降の展開が気になるところ。