『白と黒のバイレ 踊れ、終演のカンテと共に』[瑞山いつき/角川ビーンズ文庫]

 魔王にかけられた若返りの呪いを解く術を求めて旅立った姫君の物語、第3巻にして完結巻。

 2巻もたいがい急展開だと思いましたが、今回もアクセル全開で駆け抜けて言ったような印象でした。いや、語るべきところはちゃんと語られているんですけど。2巻読んでどう決着付けるのかと思ってた妹姫との関係の決着とか、もうちょっとじっくり書かれても良かったんじゃないかと思うんだ。(単に好みの問題です)
 あと、魔王ルートは夢と消えましたが、エピローグの描写がそれなりに幸せそうだからまぁこれでもいいかと思った私がいる……でも、彼が抱える根本的な問題は全く解決してないような気がしなくもない。たしかに、当面は孤独から解放されそうなのが救いではあるけどさー。

 ともあれ、この巻を持って本編は幕となりましたが、来月短編集が発売されるとのことで。どんな話が収録されているのか、楽しみです。

作品名 : 白と黒のバイレ 踊れ、終演のカンテと共に
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著者名 : 瑞山いつき
出版社 : 角川ビーンズ文庫(角川書店)
ISBN  : 978-4-04-449719-4
発行日 : 2010/7/31

角川文庫より山田風太郎ベストコレクション刊行開始。

タイトルどおり。今月は甲賀忍法帖と虚像淫楽が刊行されましたが、これから2012年12月までに全24巻の刊行が予定されているようです。
……おそらくほとんどの作品所持してるにも関わらず、釣られるつもりですが何か。いいんだいいんだ、田島昭宇のイラストも好きだし……置き場所ぐらい何としてでも捻りだすさ。気になってる人はこの際だから一緒に釣られませんか。(……と、何処かの誰かを誘ってみる。)
以下、折り込みチラシから引用の刊行予定リスト。予定は未定で変更の可能性もあるので、参考までに。
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召しませ時代小説!:物の怪たちも町暮らし編。

なんとなく気が向いて、気軽に読めて面白い時代小説を適当に紹介してみる企画を実施してみる。
思いつくまま無節操にーというのもそれはそれでありかと思いましたが、収拾つかなくなりそうなのでお題設定。ぱっと思いついたのが「妖怪もの、ただしほのぼの(?)日常系に限る。」だったのでそれでいってみる(適当) では、さっそくいってみよー。
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『子守り魔王と姫騎士団長 ~緑眼の咎人~』[夕鷺かのう/B’s-Log文庫]

 アステカ神話モチーフの異世界ファンタジー、第2巻。

 2巻目になって、キャラクターとお話が滑らかに動き始めた印象。登場人物絡みでは、前回は「……良い子だとは思うんだけど、なぁ」という程度の印象だったヒロインの好感度が何故か大幅にアップして自分でびっくりした。やってること自体はそんなに変わってないとおもうんだけどなんでだろう……クレアがキレてからの「反撃」が小気味よかったからかな。あと、クレアの婚約者(!?)登場で一気に恋愛成分も上昇。魔王の「うちの娘」に吹いたり、団長の一挙手一投足に反応する副長かわいいよ副長となったりした。あと、ちょっとだけ顔出した偽弟も相変わらずのキャラで何か安心した(笑)
 一方で、「太陽争い」関係もじわりと動いた感があり。とりあえず、ケツァルコアトル登場で無駄にニヤニヤ。しかし、テスカトリポカの意味ありげな言葉といい、終盤のトラロックの微妙な変化といい、神話ネタも併せて考えるとこの先不穏になっていくのかなぁ……あまり殺伐としなければいいんだけど。

 物語的にも恋愛的にも次の展開が気になるところで幕となっているので、3巻の展開が楽しみです。

作品名 : 子守り魔王と姫騎士団長 ~緑眼の咎人~
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著者名 : 夕鷺かのう
出版社 : ビーズログ文庫(エンターブレイン)
ISBN  : 978-4-04-726646-9
発行日 : 2010/7/15