『華葬伝 ~Flower Requiem~(上・下)』[久遠/角川ビーンズ文庫]

 第1回台湾角川ライトノベル大賞の金賞受賞作の翻訳。く、翻訳されると知ってたら、台湾旅行に行ったときに語学の勉強兼ねて原本入手してきたのに……!(←いろいろと間違ってます)

 えーと、そんなアホな呟きはさておいて。お話はといえば、かつて神殺しが行われた結果輪廻が失われてしまった世界で、事故によって記憶を失くした少女・幽冥が、否応なく世界の理に迫っていく話、とでも言っておきましょうか。読後の感想は、鬱というわけじゃないんだけど切ない、というのもちょっと違うような……。この結末のあとにまた繰り返されるのかもしれない未来に思いをはせると、ちょっと遠い目をしたくなるというか、そんな感じ。
 ただ、登場人物のほとんどが報われなさすぎ(主観)なので、キャラに感情移入して読むときついかもなぁ、と思いました。いや、作者さんはキャラ云々というよりもこの世界を語りたかったんだろうなぁ、というのはよく分かるんですけどね? でも、○○エンドと言ってもほぼ間違いでないというのは、特にレーベルがビーンズだし、と油断してたりらぶらぶ恋愛要素を期待しているとちょっとキツイんじゃないかと思うわけです。
 私はこういうのも嫌いじゃないんで、終幕に至るまでの過程やなんやかんやを「ほー、ここでそうするのか」という感じでいろいろ興味深く読みましたが。……つーかよく考えたら、ある意味ベタなお話やなぁと思いつつ、(多分)文化圏の違いからくる差異とかそういう個所を楽しんで読んでたかもしれない……

 まぁでも、翻訳文も普通に読みやすくてなかなか良かったです。今後も台湾の作品が翻訳されるのかなーと思うと、少し楽しみ。向こうに旅行に行ったとき、面白そうなのいくつか買おうか買うまいか迷ってたのがあるんですよねー。……あああと、角川さんはできれば古龍翻訳も引き受けてくれませんか。前に『多情剣客無情剣』訳してくれた縁で是非(血涙)

作品名 : 華葬伝 ~Flower Requiem~(下)
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著者名 : 久遠
出版社 : 角川ビーンズ文庫(角川書店)
ISBN  : 978-4-04-455035-6
発行日 : 2010/12/28

お休み期間にさっくり楽しめそうな本(2010年版)を考えてみた。

もうお正月休みも終わりですが(笑)、世間様では来週も3連休あるしーというわけで、去年読んだ本から適当に選んでみた。
ちなみに昨年同様、
(1)発行年度は無視。ただし、入手困難な作品は除く。
(2)切ない系・重い系・後味悪い系は除外。(新年早々だし気軽に楽しめるほうが良いかな、と)
(3)シリーズものはあまり冊数が多くないor話にある程度区切りついてること。
以上の条件で選んでみました。
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2011年・年始の挨拶。

明けましておめでとうございます。
旧年中は「空想堂」をご贔屓にしていただきまして、ありがとうございました。

昨年は、夏以降更新意欲が著しく減退し、もういっそ休止するか?ぐらいに思ったこともありましたが、それでも面白い本を読めばぽつぽつと感想を書きたいなーと思うわけでありまして。終いには、「まぁ、長年サイトやってりゃたまにはやる気がなくなる時もあるさー」と開き直るに至りました(笑)
年も改まったことですし、ぽちぽちと元のペースぐらいには戻していきたいと思っていますが、まぁ、焦らずのんびり、細く長くを目標にやっていきたいと思っています。
そんなこんなで、2011年もよろしくお願いいたします。

2010年・私的お気に入りの本(ライトノベル編)。

今年は夏以降ペースダウンしたこともあってどうしようかと思いましたが、年末行事というわけで簡易まとめ。
今年読んだ本で、人へのオススメとか何も考えず、これは良かったor面白かったと思う本をライトノベル・それ以外の作品からそれぞれ5点ずつ列挙してみる。
まずはライトノベル編。
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