『リヴァイアサンのセカイ』[チャー/ガンガンノベルズ]

 作者さんから献本いただきました。ありがとうございます。

 いろんな歴史事項ごった煮状態(でも文明レベルは現代のそれ)かつ吸血鬼が存在するという、現代社会とぱっと見同じでそうではない異世界を舞台にした、人間と吸血鬼の物語。あ、グロ描写が多々あるので、苦手な方は注意が必要かと。
 感想としては、正しくシリーズものの序章だなぁ、という感じでした。
 これは果たして必要あるのか?というようなシーンが多々あったり、コメディというかギャグが上滑りしてたり(単に私がノリについていけなかっただけかもしれませんが・笑)、蘊蓄がやたら多かったりして、小説としてはバランスが悪い印象。つーか、いっそシリアス一辺倒でいってくれたほうが私的には好みだった気がする。
 でも、そういうのを横に置いて話の筋だけを見ると、ところどころ外しつつもわりと王道な展開で、普通に面白かったです。特に終盤の展開は「おー、ここでそうくるとか、なかなか酷いなぁ」と思った。あれ、最初から演技してたのか途中で変節するような出来事があったのか、ちょっと気になる。

 まぁ好き嫌いは分かれる作品かと思いますが、私はとりあえず続編が出たら買ってもいいかな、とは思いました。……いや、思いっきりここからが本編!というところで終わってるせいもありますけどね……

作品名 : リヴァイアサンのセカイ
    【 amazon , booplehonto
著者名 : チャー
出版社 : ガンガンノベルズ(スクウェア・エニックス)
ISBN  : 978-4-7575-3188-8
発行日 : 2011/3/22

『Fate/Zero(3)王たちの狂宴』[虚淵玄/星海社文庫]

 「Fate/Zero」商業版第3巻。同人誌版の2巻最後まで収録されています。

 この巻の見どころといえば、やはりライダー組でしょう。「Zero」の裏主人公(あるいは真主人公)だと言われる彼らの魅力がこれでもかというぐらいに伝わってきます。へっぽこマスターなウェイバー君もライダーに影響されたりなんだったりでちょっとずつ成長しているのがいい感じですが、ライダーの剛毅さは目を見張るものがあり。
 聖杯問答でつまびらかにされる己の歩んだ道を悔いずあくまで覇道を貫く彼の揺るがぬ意志の前に、本来の主人公であるはずのセイバーが霞んでみえるほど。まぁ、セイバーは今次ではとことんいじめられる宿命なので(語弊あり)、仕方がないですね。あ、我様はいつでもどこでも我様だよなぁと心和みました(……和む?) あと、『王の軍勢』展開場面は何度読んでもかっこいい。そういえば、同人誌版だとここで見開きイラストがあったんだよねぇ……星海社文庫が挿絵なしなのが惜しい……。
 そのほかバトル的には、セイバー&ランサーvsキャスター、切嗣vsエルメロイ、アイリ&舞弥vs言峰というカードがあり。どれもがそれぞれの持ち味を垣間見せる戦いで、読んでいて胸が躍りました。あと、見どころ?となるのは、ランサー組の不協和音……本当、第五次の彼といい、ランサーのクラスはマスターに恵まれないよねぇ(ほろり)

 さて、次の巻はどこまで行くか。龍ちゃんのあの台詞は、確か同人誌版3巻前半だったから確実に収録されるだろうけど。うん、楽しみです。

作品名 : Fate/Zero(3)王たちの狂宴
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著者名 : 虚淵玄
出版社 : 星海社文庫(星海社)
ISBN  : 978-4-06-138906-9
発行日 : 2011/3/10

今回の大震災のこと

被災された方々には、心からのお見舞いを申し上げます。一人でも多くの方の命が助かることを祈るばかりです。
被災していない私たちだからこそ出来ることもある。日本経済を回していくことで間接的に役には立てていると信じて、日々を送るしかないのが歯がゆい……。
あと出来ることとして、義援金は赤十字が週明けから受付を始めるという話なので、準備だけはしておこうと思っています。あと、献血も歯の治療が終わったら行こう。

『Fate/Zero(1)第四次聖杯戦争秘話 / (2)英霊参集』[虚淵玄/星海社文庫]

 同人誌として発売されていた「Fate/Zero」が1月に新創刊された星海社文庫から商業版として発売開始。同人誌版も持ってるけど、釣られて購入。どうでもいいですが、私はSNのころから我様が好きです。とても好きです(いきなり告白)

 同人誌版では全4巻構成でしたが、今回の文庫版は全6巻になるということ。文庫版2巻までで、同人誌版2巻序盤ぐらいまで消化したかな?というところですね。第四次のマスターとサーヴァントが揃ってなんだかんだあってキャスターの早期打倒が提案されたところまで。
 人格能力趣味趣向、様々な人間や英霊たちが顔を連ねたこのバトルロイヤル。なかでもメインとなっってくる、アイリがいなかったらどうなるんだこれ、と言いたくなるぐらい不協和音奏ですぎなセイバー組、本編を知っていれば「え……って、ことはどうなるの!?」と疑問を抱かざるを得ないアーチャー、豪放磊落という言葉をそのまま具現化したようなサーヴァントとその破天荒ぶりに振り回されるマスターのライダー組。各々が王であるサーヴァント三者三様の在り方が楽しいです。
 あとはまぁ、直接顔を合わせていないにも拘らず互いを無視できない存在として認める切嗣と言峰とか、第四次における遠坂と間桐の因縁とか、切継とアイリの夫婦関係とか、今回もマスター運ないなぁ……と気の毒になってくるランサー組とか、初登場からノリノリでやりたい放題のキャスター組とか、見どころはあれこれと。

 話が進むごとにその心中はさておき行動の非情さに磨きがかかっていく切嗣、まだ開き直るに至っていない言峰がアーチャーの示唆を受けてどんな変化を見せるのか、へっぽこマスターなウェイバー君の成長物語などなど。先を知っているので飢餓感は抱かなくて済みそうだと安心しつつ(笑)、再読を兼ねてのんびり連続刊行を追いかけていこうと思います。

作品名 : Fate/Zero(2)英霊参集
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著者名 : 虚淵玄
出版社 : 星海社文庫(星海社)
ISBN  : 978-4-06-138904-5
発行日 : 2011/2/10