山田風太郎明治小説全集3巻目。他の明治物と比べると、「幽霊」が普通に登場して話にも絡んでくるという点で、伝奇色が強目の異色作といっても良い作品。
主人公(というか狂言回しというか)は、元会津藩士・干潟干兵衛。会津落城の際に妻のお宵を、その後復讐の念にも突き動かされて参戦した西南戦争では息子を目の前で亡くしてしまい、今では東京で孫娘のお雛を傍らに乗せた二頭立ての辻馬車で生計を立てている干兵衛。いつの間にか親子馬車として人の口に上ることも多くなったこの辻馬車に乗り込む人々、それぞれがそれぞれの運命を背負い、時代の波に翻弄され飲み込まれていく……と、まぁそんな感じの内容。
上巻は基本的にオムニバス形式。激動の時代に翻弄される人々の姿がある時は滑稽に、またある時はなんとも言えない哀愁を漂わせながら描き出されていくその展開には、作中で用いられた「人の世に情けはあるが、運命に容赦はない」という一言が脳裏に刻み付けられるようで思わず唸らされてしまいます。今回収録されている章の中では、「花魁自由党」とそれに次いで「仕掛花火に似た命」が特に印象深いかな。あと、『エドの舞踏会』の前日談ともいえる「鹿鳴館前夜」も好きです。
そして個々の物語が文句なく楽しめる一方、作品全体を繋ぎあわせる仕掛けの妙も健在。この話でキーワードとなるのは、「自由党の壮士」。時代の敗残者として干兵衛は彼らをなんとはなしに好ましく思っている一方、時にはその行いに対して痛烈な言葉を口に出したりと、どこか醒めた目でその行く末を見つめています。とはいえ、別に彼らと積極的に関わろうとは露ほども思っていないのに何の因果か何度も関わってしまうのは、運命の皮肉としか言いようがなく。そんな出来事の繰り返しで干兵衛自身も傍観者の立場でいられなくなるのでは……という予感を抱かせつつ、下巻へ。
急がば回れ。
某難関資格試験の勉強を細々と頑張っているわけですが。
最近、あまり内容を理解しないまま講義内容だけを適当に聞き流している状態なのにふと気がついた。いくら五月病状態とはいえ、これはあまりに良くない傾向。
さてはと思って、問題集を少し戻って解きなおしてみたら、正答率が笑えるぐらいに低い。これは、ここらでちょっと気合を入れなおさないとあまりにまずい。
で、この失点をどうやって取り戻すべきかと少し考えた結果。
理解しないまま進んだところで結果はついてこないだろうし、思い切って講義を数回分戻って、改めて頭に叩き込むことにした。
時間が無限にあるわけではないし、正直焦る気持ちもあるんだけれど、学問に王道なしというしね。
せめて1次試験は突破できるぐらいの実力が身につくよう、頑張るぞ。おー!
スレイヤーズアニメ4期。
今度の7月から始まるらしいとは聞いていて、原作も好きだったし1~3期はリアルタイムで視聴していた懐かしさもあるし、普通に視聴しようかなーとか思ってはいたのですが。
何気にそういやどのあたりの話をやるんだろうとグーグル先生に聞いてみたところ、「忘れなかったら見よう」から「これは見なければ……!」に心境変化。
いや、自分でも何がツボに入ったのかと不思議になるほど原作でむやみやたらと好きだった某キャラが登場確定らしいときては、やっぱり気になるというかねー(ごにょごにょ)
……どうでもいいけど、久々に本編読み返したり未だに録画保存してるアニメ版見てたら、無性に新装版とかDVD-BOXとか欲しくなってきてちょっと困った。
0805購入メモ(その3)。
『天啓のパルティア 月の姫巫女が予言する』[真朱那奈/B’s-Log文庫]【amazon ・ boople ・ bk1】
『銀の犬』[光原百合/ハルキ文庫]【amazon ・ boople ・ bk1】
『子どもたちは夜と遊ぶ(上)』[辻村深月/講談社文庫]【amazon ・ boople ・ bk1】
『子どもたちは夜と遊ぶ(下)』[辻村深月/講談社文庫]【amazon ・ boople ・ bk1】
『将軍家御典医の娘が語る江戸の面影』[安藤優一郎/平凡社新書]【amazon ・ boople ・ bk1】
『中国怪異譚 閲微草堂筆記(上)』[紀昀/平凡社ライブラリー]【amazon ・ boople ・ bk1】
相変わらず瀕死。
それでも何とか、一応生きてはいますが、どうにもしんどい。
いつもにまして回復が遅い(ような気がする)のは、やっぱり疲労で体力が落ちてるってことなのかなぁ。
……まぁ、ぼちぼちやろう。(←毎回言ってるし)
そして踏んだり蹴ったりなことに、メインPCが故障。嗚呼、なんてついてない……orz
えーと、まぁ愚痴っても直るわけじゃないし、とっとと修理に出すとして。メインPCが修理から帰ってくるまでの間、ネットはいまいち不安定なサブPCからしかつなげなくなるので、出現頻度が下がるかと思います。
更新を楽しみにしてくださってる方には申し訳ありませんが、あらかじめご了承願います。