数年前のTYPE-MOONエイプリルフール企画に端を発したFateシリーズスピンオフ作品、5巻目。内容としては4巻で始まった病院前のバトルがメイン。バトル描写に力が入った反動なのか作中時間がほとんど進んでいないのは良いのか悪いのか。
感想としてはいろいろとあるんですが、とりあえず一番は「フラット君のヤバさがまた跳ね上がった……」でしょうか。以前の巻で死徒化は効率悪いからやらないと言ってたけどそっちの方法はありなんだとか、デュマに訝しがられたりアルケイデスには「何か」を察せられたりとか、早く設定全部明かしてほしいなあ……。あ、それと出番少なめでしたがエルメロイⅡ世がフラット君のことを心配してる(&教室の卒業生たちに少し言及があった)ことにほっこり。なんだかんだあってもこれだけ心を傾けてもらえるなら、そりゃあフラット君も教授に懐くよね。その他、デュマの能力ある意味無茶苦茶だなとか、警官組がかっこいいな!とか、最初の脱落者(?)があなたになるんですか!とか、シグマ&偽アサコンビが急速にメイン主人公っぽくなってきてるようなとか、ウルク組が揃ってまたやばい感じになってきたとか、いろいろと気になることはたくさん。ラストで病床の繰丘椿が作り出した世界に引きずり込まれた組と、現実世界に残っている組に別れたことになりますが、ここからどう展開していくのか気になるところ。特に、椿ちゃんに相対する組は、彼らが知らぬところで嗤うジェスターの言葉をどうやって覆えしてくれるのかなー(覆してくれないと逆にキツイ)
そうそう、今回も本家Fateや派生作品からの小ネタは読んでてニヤリとしましたが、FGOプレイヤーの大半が「そこのところもっと詳しく!」となったであろうデュマとエドモンのやりとりの完全版がいつか読めますように……いっそFGOにデュマ実装して幕間やってくれてもいいよ……
さて。まだまだ風呂敷を広げまくっているようにも感じるこのシリーズも、あとがきの作者氏の言葉によればこれで中間点らしく。この聖杯戦争がどんな形で収束していくのか楽しみにしつつ、成田先生にはご無理はなさらないよう心から願っております……