『叡智の図書館と十の謎』[多崎礼/中公文庫]

雑誌「BOC」で連載されていた作品の文庫化。裏表紙の紹介では長編となってますが、短編集というほうがしっくりくるような。連作短編というには各話の独立性が高めだし。

古今東西の知識全てを収めた図書館。長い旅路の果てに辿り着いた旅人。10本の鎖で縛められた扉を守る乙女像の謎掛けに、旅人は正しく答えて叡智の図書館に至ることができるのか――という大枠の物語の中に、守り人の乙女の出す謎に対する答えを導き出すために旅人が携えた石版が物語を映し出すという形で短編が組み込まれているんですが、各話様々な趣向を凝らした内容で楽しめました。個人的には、第5問と第6問、第7問が好きかなー。
大枠の物語のほうは、徐々に人間味を増していく乙女をかわいいなーと微笑ましい気分でみる一方でこの変化が彼女にとって本当に好ましいものなのかどうかと考えながら読み進めていたら……なるほど、そういう着地点かーという。またいつか、永い時の果てに彼らが邂逅する日がくるといいな、と思う終幕でした。

作品名 : 叡智の図書館と十の謎
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著者名 : 多崎礼
出版社 : 中公文庫(中央公論新社)
ISBN  : 978-4-12-206698-4
発行日 : 2019/2/25

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