宝塚月組「エリザベート」を観てきた話。

言わずとしれた人気演目&月組トップ娘役愛希さんの退団公演ということで、チケット確保難しいだろうなあと思っていたのですが、友の会がおともだちになってくれたので、運良く観劇できました。ちなみに、過去の同演目はamazonの配信で観ましたが、東宝等含めて劇場で観るのは今回が初めて。以下、過去の演出にも特にこだわりがない&歌の良し悪しはよくわからない人間の、ふわっとした簡単な箇条書き感想。

・冒頭、月城かなとさん演じるルキーニ登場。顔がいい。なのになんかこう、得体の知れない雰囲気。私の数少ない宝塚観劇で観てきた月城さんって、なんだかんだ言っても品がある役が多かったんだけど、なんか一線を画してた。表面上は普通なのに本質的な部分が狂ってる。トートの存在とそれにまつわるエリザベートの物語そのものが、彼の妄想でもおかしくないと感じるぐらいにはマジでヤバイひとだった。でも顔がいい(大事なことなので二度言う)
・珠城りょうさん演じる黄泉の帝王・トート。妖しさよりも包容力をとても感じた。というか、今回のトート、シシィと表裏一体、彼女が一度事故で死にかけたときに分かたれた半身みたいな印象が強かった。シシィから生まれて、彼女を求めて、そして一つに還る、みたいな。そういう意味では、オリジナル版により近い解釈になってるのかな?
・これが退団公演となる愛希れいかさんのエリザベート、シシィ。すごくぶれないシシィだった。精神的につよくてエネルギッシュ。終演後Twitterで感想検索してたときに「最期まで少女なシシィ」という評を見かけましたが、まさにそんな感じだった。
・美弥るりかさん演じるフランツ・ヨーゼフ1世は、とても繊細な人物に描かれてたなあ、と。あと、マザコンというより皇帝として自分が育てられ持っている価値観が極自然にあって、それ故にシシィの精神と一時ならまだしも長く寄り添うことは難しかったんだろうなーという印象。それでも、彼なりにシシィを精一杯愛して、控えめにでもできるかぎり歩み寄ってる感は伝わってくるので、シシィももう少し歩み寄ってあげようよ…という気持ちになる。(それができないのが彼女なんだとわかってるけど)
・その他にもルドルフ、ゾフィー、マダム・ヴォルフ、ヴィンディッシュ嬢等々………どの場面もどの演者様も「あ、そういう人なのね」と伝わってくるような自然さ。それぞれの良さを引き出し引き立てあってるというか、調和が取れてるというか。全体的に安心して観てられた。個人的には、病院でのシシィとヴィンディッシュ嬢との場面が良かったと思う。
・ところで、ゾフィーメインで新作とか可能性ありませんかね………須賀さんの帝冠の恋ベースで………(単なる願望)

詳しい人や熱心な人が観るとまた違う感想になると思いますが、私としてはトートとシシィの関係の解釈が腑に落ちたし、すっきり良い気分になれた舞台でした。

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