『百鬼一歌 月下の死美女/都大路の首なし武者』[瀬川貴次/講談社タイガ]

まもなく武士の世が始まろうとする平安時代末期。歌人の家に生まれ、天才歌人として誉れ高い希家が、ひょんなことから知り合った宮仕えの少女・陽羽とともに、都を騒がす怪異の謎を解き明かしていく、というシリーズ。1巻(死美女)発売から約1年経った先月、2巻(首なし武者)が発売されたので、シリーズ化確定したのかな?

1巻は登場人物紹介の側面が強くて、ラストの引きは気になるものの正直そこまで好きな雰囲気の作品ではないかなあと思っていたのですが、2巻は不思議と「あれ、なんか面白いぞ…!?」となってました。登場人物の関係や性格が頭に入ったからか、単純にお話が転がりだしたからか、それとも歴史的背景が前巻以上に出てきてツボにはまったからか………多分、これ全部ですな。
お話としては、1・2巻ともに平安末期の事情や動乱をうまく絡めて怪異(とされる事件)が成立しているので、謎が解き明かされるとすっきり納得できるのが良し。探偵役の立ち位置にいる希家(頭脳派)と陽羽(肉体派)ですが、ふたりがなんだかんだと自分の事情や感情で動きながら事件を解きほぐしていく過程や決着の付け方に、「怪異」側の事情もできるかぎり汲みつつ話を進めるあたりに彼らの人の良さが感じられて、好印象。あと、1巻では色んな意味で「あー………」となった希家の義兄・寂漣。2巻で彼なりの考えが明かされはしたものの、今はまだ影に隠されたそれが表に出ることになるのか。そうなったときの希家や彼に縁の人々の反応含めて気になるところ。

3巻は出るとしたら、また1年後かな。作中の時計の針がどこまで進むのか、2巻はちょっと蚊帳の外だった希家に主人公としての巻き返しはあるのか。楽しみです。

作品名 : 百鬼一歌 都大路の首なし武者
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著者名 : 瀬川貴次
出版社 : 講談社タイガ(講談社)
ISBN  : 978-4-06-294118-1
発行日 : 2018/7/20

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