かつて恩を受けた瓜二つの姫君シレイネの身代わりとして敵国に輿入れすることになったフェルディアが目指せ円満離婚!と策略家として名高い夫(仮)クロウ相手に奮闘する(?)ラブコメ劇。今回は本物襲来編(2巻構成)でした。
これまでの断片的な描写からかなりの曲者っぷりを発揮していたシレイネ。上巻の時点では意図が読み切れない怖さを味わったのですが……下巻に入ると「あれ?」となり、最後には彼女は彼女なりの理で動いてただけでわりと一途なひとであったなあと。つーか、プリハーのメリルローズを思い出した。まあ、彼女も事情があっていろいろ大変なのでしょうが、これからもお兄様と仲良く暮らせるといいなあと思いました。
その他のキャラ話。恋心を自覚したフェルと彼女を手に入れるためにあれこれ頑張る旦那様。ふたりのやりとりは今回もニヤニヤものでした。身代わりがバレてないと思ってるフェルのちょっとした言動に一喜一憂の旦那様かわいい。背中を預けられる女と言われて喜ぶフェルは男前。そして最後、フェルの思わぬ行動に固まる旦那様に床ローリングせざるを得なかった。あと、フェルの事情を知ることになったラナが変わらない態度でいてくれたのも嬉しかったです。フェルも隠し事しなくてよくなったし、さらに良い友人になれそう。さっそく先生とも意気投合してたし(笑) これからは恋愛方面でもフェルのアシストしてくれると嬉しい。
話の本筋としては、フェルの身の上が明らかになりつついろいろ謎をほのめかしまくりで一歩進んで霧がまた深くなりました、みたいな。わりとベタな展開になってきたなあと思いつつ、よく考えたらフェルの破天荒さに引っ張られてたけど根本の部分では堅実王道路線だったような気がしなくもない。
さて、一時はこのひとがラスボスかと思われたシレイネが中ボス(違)であったことが判明したところで、最後に姿を見せた人物。これは、シレイネたちがほのめかした黒幕絡みなのでしょうか。とりあえず、続きが楽しみです。