『ストレンジムーン 宝石箱に映る月』[渡瀬草一郎/電撃文庫]

 未知の存在・迷宮神群の影響を受け、本人が望んだか否かは関係なく異能を得た人々が織りなす物語、「パラサイトムーン」。6巻まで刊行されて以後ストップしていたシリーズが、タイトルを変更して再スタートとなりました。

 パラサイトムーン6巻(「甲院編」完結)の発売から実世界では10年近い歳月が経過しているわけですが、作中時間も思っていたより経過。不老だったりほとんど人間やめてたりする人たちはともかく、キャラバン内部では世代交代進行中のようで。それに絡んでひとりの女性が抱いた野望が今回の騒動の発端に。それに心ならずも関わることになったのが今エピソードの主役となる月代玲音。幼馴染の少女や友人たちと地元の紅街中華街にある洋菓子店でいつものように放課後を過ごしていたところ、「マリアンヌの宝石箱」の封印が解かれたことで起きた事件に巻き込まれ――という導入。
 今巻の内容自体は、わけのわからないまま異能を手に入れた(というかなんというかな状態の)玲音が、それまでとはまるで異なってしまった周囲の変容に戸惑いつつ振り回されてる段階でもあり、まだまだ序盤戦という感じ。最後になってキーパーソンである夢路や復活した敵の首魁も登場して、さてこれからどうなるかが気になるところ。
 で、パラサイトムーンが好きだった身としては、とりあえず旧巻のキャラたちの名前が出たり本人が登場してたりするとやはりテンションがあがりますね! 特に心弥と弓! このふたりに関しては、以前のエピソードでの災難を知っているだけにもう素直に良かったねえ……と思いました。真砂も次の巻以降登場したりしないかねぇ……。あ、エスハは相変わらずの傍迷惑っぷりに安心しました(←をい) 彼に付き従ってる存在については、「輪環」読めば分かるとかでちょっと気になってます。あのシリーズはどうも好みに合わなくて途中脱落しちゃったんですが、こうなってくると、電子書籍化されるとかしたらまた挑戦したい、かもしれない。

 ともあれ、今後の展開が楽しみなシリーズ。できるだけ早く続きが読めると嬉しいなあと思ってます。

作品名 : ストレンジムーン 宝石箱に映る月
    【 amazon , BOOKWALKER , 紀伊国屋
著者名 : 渡瀬草一郎
出版社 : 電撃文庫(メディアワークス)
ISBN  : 978-4-04-891694-3
発行日 : 2013/6/7

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