『プリンセスハーツ ~今宵はせめて夫婦らしくの巻~』[高殿円/小学館ルルル文庫]

 大国パルメニアを征服するという目的のため手を組んだ仮面夫婦と主従の戦いと、関係の変化を描くシリーズ第8巻。今回はいよいよパルメニア征服に動き出したアジェンセンと周囲の国の動き、その中で仮面夫婦が互いへの思いを新たにし……という展開。

 そろそろ終幕に向けて本格的に動き出した、という印象でした。いろんな意味で。
 らぶ方面では、「自覚祭り」という作者様の言葉に偽りなく、これまで目的のために手を結んだだけの「仮面夫婦」だった(無自覚にらぶらぶやってはいたけれど)ルシードとジルの関係がついにここまで!と言いたくなるほどに急激な進展。とてもニヨニヨいたしましたが、こうなってくるとこの先がまたどうなるのかが不安にもなるんですよねこの二人……遠征王で書かれている「事実」との絡みもあるし、ハッピーエンドになるかどうかまだあまり気が抜けないというか。まぁ、たぶん何とかはなるんだろうと思うけど、なぁ……。
 そのほかでは、オース若干うざ……とか、リドリスはこのままで終わるわけないよなとか、ハクラン王の思惑はさてどのあたりにあるのかなとか、まぁそんなことを徒然と考えたりした。

 さて、次は夫婦別居(というか別行動)編。ルシードは首尾よくシングレオ騎士団を下すことができるのか、ヴィスタンシアに向かったジルは彼の地でオズマニア・ヴィスタンシア王とどのようなやりとりを繰り広げるのか、アジェンセンで燻る火種はどうなるのか……などなど。一体どんな展開が待っているのか、気になるところです。

作品名 : プリンセスハーツ ~今宵はせめて夫婦らしくの巻~
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著者名 : 高殿円
出版社 : 小学館ルルル文庫(小学館)
ISBN  : 978-4-09-452167-2
発行日 : 2010/7/24

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