評判がいいので手を出してみた翻訳モノ。ニューヨークを舞台にしたエブリディ・マジック。寡聞にして知りませんでしたが、あとがきによれば若い女性の自分探しを描く「チックリット」というジャンルでもあるそうです。
感想。評判がいいのも納得の面白さでした。翻訳モノは訳文で引っかかる確率が高かったりするんですが、これはそんなこともなく。内容的にも多少シリアスっぽい部分があるにしろ、コミカルな部分も多いので肩の力を抜いて気楽に読めましたしねー。
個人的には、現代社会と完全に別世界ではなく、一般社会からは一応姿を隠しているもののそれなりに順応・共存している魔法世界の描写が面白いなぁと思いました。ヒロインのケイティがヘッドハントされて入社した会社MSIの内部事情とか、「あー確かにそういう設定ならそんなこともありえそう」と思う程度にリアリティが感じられて良かったし、空想上の生物たちや魔法的な要素が一般社会に当たり前のように混ざって生活、あるいは存在している様子もなかなか楽しかったです。
あと、ケイティがちゃんと行動するタイプなのもポイント高かったかな。おかげで、いろんな要素が重なってるにしろかなりのスピードで昇進しても、まぁ納得できるというか。彼女だけでなく、ケイティのルームメイトたちや相手役候補、会社の同僚や上司といった面々もそれぞれの個性があって魅力的でした。
さて、この巻の最後で元社員にして現在は敵対している魔法使いイドリスとの直接対決には無事勝利したけれど、これで相手が引き下がるはずはないでしょうし。MSI社の今後、それにケイティの恋の行方も気になるので、2巻以降も購入決定。