『アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭』[須賀しのぶ/集英社コバルト文庫]

 昨年大河ファンタジー「流血女神伝」を完結させた須賀しのぶさんの新シリーズ。あらすじから現代日本が舞台の話なのかと思っていたのですが、現代日本は現代日本でも「天使病」という謎の病の影がつきまとうパラレル世界の話でした。

 読んだ感想としては、いかにも序章という感じではありますが普通に面白かったというところ。内容的にも、それなりに問題を抱えつつも友人たちと平和に過ごしている日常が、ある日の出会いを境に微妙に変化をはじめて……という、ある意味王道な展開でしたが、終盤の叩き壊しや過酷さが、なんというか、さすが須賀さん容赦がないなぁと思った。
 登場人物では、主人公の陽菜に若干イラつくものの14才ならまぁこんなものかなーととも思ったり。それに、今回の様々な経験を経て少しずつ変わってはいくだろうからそのあたりに期待。その陽菜の相手役候補(?)は2名いますが、甘さがほとんどない今の関係がこの先どうなっていくのかも気になるところ。

 さて、次の新刊は来月。雑誌連載されていた『帝冠の恋』の文庫化とのこと。雑誌連載時は我慢して読んでいなかったのですが、ハプスブルクの話らしいので、かなり期待&楽しみです。

作品名 : アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭
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著者名 : 須賀しのぶ
出版社 : 集英社コバルト文庫(集英社)
ISBN  : 978-4-08-601136-5
発行日 : 2008/3/1

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