(強制)レンタル本を詰め合わせてみる。

須賀さんの「アンゲルゼ」補完本&高殿さんの「そのとき」&「プリンセスハーツ」本目当てで夏コミにこっそり参加する計画を立てている今日この頃。
deltazuluさんも参加されるらしいということで、せっかくの機会だから何か本を押しつけ……もとい、布教してみたいなーと思ったのでいそいそと詰め合わせてみた。
今のところ内訳はこんな感じ。これ明らかに続いてるよ!な作品が1つしかないという我ながらとても親切な仕様です。
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『プリンセスハーツ ~初恋よ、きみに永遠のさよならをの巻~』[高殿円/小学館ルルル文庫]

 大国パルメニアを征服するという目的のため手を組んだ仮面夫婦と主従の戦いと、関係の変化を描くシリーズ第5巻。エピソードとしては4巻から引き続いて、大国オズマニアとの領土を巡る謀略戦。その結末まで。

 ナンセの新領主の座を誰に与えるか。それぞれ智者同士のジルとオース王子の駆け引きには、ジル側が目をつけたサラミスのとある思惑から生じた「あること」も絡んで、どうなるんだーととてもはらはらしました。そして、ついに大ピンチ!なところで、いかにも武の人らしいやりかたで場の空気を味方につけたルシードの格好良かったこと。ジルが打っていた一手も霞んでしまうほど、その姿は輝いていました。
 あと、「初恋よ、きみに永遠のさよならを」のサブタイトルどおりな展開もあり。今回の騒動が全て終わった後、直接「彼女」に会わず去っていった彼の心も、当然彼が近くにいてくれると思っていただろう「彼女」の心も、どっちも想像するだけで切なかった。あと、オースの秘めた想いは、そっちだったのか、と少し驚きましたが……ケティの癒えることのない痛みと、さりげなく零れおちた呟きも手伝って、彼らも何かが違っていればなぁ、と思うとやはりやりきれない思いでした。

 もう一つの見どころなルシードとジルの関係はというと、確実に互いに対する信頼(+無意識下では愛情)が育っているようでとてもニヤニヤしました。全部が終わった後の二人の会話とかもうね。しかし、あそこで「可愛がりなさい!」とか「調教」とかいう台詞を出してくるジルは天然ボケすぎ。一人で百面相しているルシードがちょっぴり気の毒になりました(笑) そんな感じでほのぼのしていたら、ラスト付近でいろいろ不安になる描写があって……一体この先彼らはどうなるんだとガクブルしてしまいました。

 さて、次はオズマニア王自身との対決となるのか、それとも……? どちらにせよ、続きがとても楽しみです。

作品名 : プリンセスハーツ ~初恋よ、きみに永遠のさよならをの巻~
    【 amazon , BOOKWALKER , honto
著者名 : 高殿円
出版社 : 小学館ルルル文庫(小学館)
ISBN  : 978-4-09-452122-1
発行日 : 2009/07/31

『封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ5』[霜島ケイ/小学館ルルル文庫]

 長編伝奇シリーズ「封殺鬼」。若干14歳にして神島の当主となった少女・桐子をメインに据えた昭和編・「鵺子ドリ鳴イタ」第5巻にしてエピソード完結巻。

 物語の背景というか雰囲気に当時の世相が滲んでいるため、どうしてもどんより重い気分にもなりましたが、最後まで期待通り、安定して面白かったです。
 それぞれ国を思っているはずなのに、どこかで歪み狂っていく。「人喰い」事件も、その一端が表に出たにすぎないという事実がなんともやりきれなかったです。また、魔人兄妹も。彼らが為した所業は確かに外道の技でそれ自体は処断されるべきだろうことだろうけれど。それでも、魔としては「闇」に受け入れられず、人としては迫害され……というその境遇は、やはりやりきれなかった。どうしようもなかったんだろうけどなぁ……乙夜と真明、それぞれの最期の言葉が切ないです……。
 と、そんな感じでシリアスな空気を周囲の人間を道連れにあっさり壊してくる聖と志郎は、実に良い物語の清涼剤でした。ふざけているだけじゃなくて、彼らの中で動かない芯があるから、空気はゆるみつつも話が逸脱したような雰囲気はないしなぁ。あと、いつのまにやらすっかり良い「お友達」な志郎と桐子にニヤニヤした。「ミキさんにカーディガンをもらった時の気持ちに似ている」とか「頭わしゃわしゃ」とか、思わずゴロゴロした。(余談ながら特典CDもとても床ローリングした。素直じゃない桐子がかわいい)

 さて、「鵺子ドリ」のエピソードは無事完結しましたが、また新しい「封殺鬼」のエピソードが読めると良いなーと思います。キャンパス版の続きで、オサキちゃんの話みたいな単発の話も読みたいなー。

作品名 : 封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ5
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著者名 : 霜島ケイ
出版社 : 小学館ルルル文庫(小学館)
ISBN  : 978-4-09-452121-4
発行日 : 2009/07/31

0907購入メモ(その3)。

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