『銃姫10 ~Little Recurring circle~ / 11 ~The strongest word in the world~』[高殿円/MF文庫J]

 5年にわたって続いた「銃姫」シリーズ、いよいよ完結。……あ、今気がついたけど9巻の感想書いてない……まぁ、今更だしいいか(適当)

 読後の感想としては、予想以上に綺麗にまとまったなぁ、という一言に尽きるかと。正直、巻を重ねるにつれて「ちゃんと収拾つくんだろうかこれ」と思いながら読んでいた記憶があるのですが、最終的には「なるほど、こうしてパルメニアシリーズに続いていくのか」と納得もできましたし。
 登場人物絡みでは、シリーズ開幕当初は子供だったセドリックやアンがいつのまにかしっかり大人になったなぁ、としみじみ。その他、暁帝国の皇帝陛下が格好良かったなーとか、プルート!とか、お父さんっ!とか、印象が強かったのはそのあたりかな。
 ただ、全体としてみると「なんだかバランスが悪い」という印象が最後まで拭いきれず。今巻でも、「え、今になってそんなこと言われても」とか「そんな一気に全部詰め込まんでも!」となる場面も結構あって。数々の伏線が放置されずにすんだのはいいことだと思うんですが……なんというか、もうちょっと既刊で分散できたんじゃないかと思ったりした。

 まぁ何はともあれ、セドリックとアンブローシア、そしてエルウィングがそれぞれの宿命とともに辿った長い旅もようやく終わり。失われたものは数多あれど、悲劇を生き残った人々はまた新しい歴史を刻んでいくんだなー、と思うと実に感慨深い終幕でした。

 ……ところで、エルウィングの「アレ」にあのルビがふられていたということは……え、ゼフリートってまさか……?

作品名 : 銃姫11 ~The strongest word in the world~
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著者名 : 高殿円
出版社 : MF文庫J(メディアファクトリー)
ISBN  : 978-4-8401-3132-2
発行日 : 2009/12/22

『パラケルススの娘 9 メフィストフェレスは踊る』[五代ゆう/MF文庫J]

 「パラケルススの娘」最終章・中編。あとがきでも明言されていますが、次巻でシリーズ完結とのことです。

 読了後の第一声は「またなんという鬼なところで切りますかっ!」だった。うわーん、なんで銃姫みたいに同時刊行とか2ヶ月連続刊行じゃないんだー!
 まぁそんな衝撃のヒキとなったこの巻ですが、内容自体は終盤まで大きく動かず。永きにわたる悲願――もしくは妄執を果たさんとする「魔術師シモン」の策動、シモンの手に落ちながらも自分のできること・なすべきことをなし遂げるべく動く遼太郎、姿を消したクリスティーナと遼太郎をに繋がる手掛かりを必死でつかもうとする「家族」たち、そして葛藤するクリスティーナ……と、それぞれの姿が丁寧に描かれていきます。
 中でも印象が強かったのは、遼太郎の「お説教」ですね。彼が倫敦で過ごした時間や守りたいと思っている多くのものを背負っての言葉の数々には、「ああ、本当に彼は精神的に強くなったなぁ」と改めて思いました。……しかし、シモンを一刀両断した時は思わず吹きだした。いや、確かに要点をまとめちゃえばそうなんだけど!みたいな感じで。その他では、バ(略)ことアレックスが少し成長したり、リース警部と霧月という意外な組み合わせが発生したり。事態は全く楽観できない状況ながら、細々した部分が興味深かったり楽しかったりした。あ、あと冒頭にあった多華の「夢でのやりとり」にちょっとしんみり。
 終盤には、ついにシモンの術式が発動。相手が圧倒的に優位な立ち位置を確保している中でレギュラー陣がそれぞれに奮戦する一方、ついに動いたクリスティーナの意思は……!というところで以下次巻という、なんとも凶悪なヒキ。公式サイトによると現在最終巻執筆中とのことですが、早く続きが読みたくて仕方がありません。皆が幸せに笑える結末になりますように!

作品名 : パラケルススの娘 9 メフィストフェレスは踊る
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著者名 : 五代ゆう
出版社 : MF文庫J(メディアファクトリー)
ISBN  : 978-4-8401-3055-4
発行日 : 2009/12/22

0912購入メモ(その2)。

『イバラ学園王子カタログ』[野梨原花南/一迅社文庫アイリス]【amazonbooplebk1
『吉原花魁』[角川書店]【amazonbooplebk1
『嘘つきは姫君のはじまり ふたりの東宮妃』[松田志乃ぶ/集英社コバルト文庫]【amazonbooplebk1
『玻璃の舞姫』[岡篠名桜/集英社コバルト文庫]【amazonbooplebk1
『15×24link five ロジカルなソウル/ソウルフルなロジック』[新城カズマ/集英社スーパーダッシュ文庫]【amazonbooplebk1
『15×24link six この世でたった三つの、ほんとうのこと』[新城カズマ/集英社スーパーダッシュ文庫]【amazonbooplebk1
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ルルルが捕獲できてないので、今年の買いおさめはもう少し先。

『クシエルの使徒 (1)深紅の衣』[ジャクリーン・ケアリー/ハヤカワ文庫FT]

 中世ヨーロッパ風異世界を舞台にしたファンタジー小説、「クシエルの矢」に続く第2部の翻訳開始。ちなみにあとがきによると、第3部までがフェードル主役で、それ以降は主役交代となっているようです。

 国家滅亡の危機を乗り切り、一時の平和が訪れたテールダンシュ。フェードルも女伯爵として所領で穏やかに日々を送っていたが、姿を消した宿敵メリザンドと、彼女が送りつけてきた「挑戦状」を前に、再び波乱の中に身を投じることに……というのが今回の導入部。この巻は第二部序章というか新たな冒険に向かう下準備という感じで、宮廷陰謀劇が主軸となって動いていくので、物語全体としては大きな動きはなく。
 登場人物絡みで個人的に思わぬ展開となったのが、第1部で築かれたジョスランとの関係がああいう風になってしまったことでしょうか。いや、彼の信条とか何やらを考えれば、確かにそうなることも十分理解はできるのですが……第1部初期のようにお互いが毛嫌いしてるわけではないので、拗れてしまった関係にはなんとも複雑な心境になってしまいます。……しかし、ジョスランも思い悩んでいるとは理解しつつ、それでも今回の彼にはうーんと思ってしまうのは避けられなかった。レギュラー昇格の「フェードルの野郎ども」3人が良い味出してるから、余計イライラしてしまうんだろうなぁ……まぁ、彼に関してはここからの挽回を期待してます。一方のフェードルは、そんなジョスランとの関係に傷つきながら、そこにも新たな快を見出してしまうというMらしい逞しさ(?)を発揮。つくづく、彼女の性癖は良いのか悪いのか悩むところです(苦笑)

 さて、宿敵の影を追って旅に出たフェードルたち。新たな国で、彼女たちはどのような出来事に対峙することになるのか。物語が動きはじめたところで幕となっているので、早く続きが読みたいですね。

作品名 : クシエルの使徒 (1)深紅の衣
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著者名 : ジャクリーン・ケアリー
出版社 : ハヤカワ文庫FT(早川書房)
ISBN  : 978-4-15-020506-5
発行日 : 2009/12/19

WordPress2.9にアップグレード。

英語版がリリースされていたので、さくっとアップグレード。
念のためDBのバックアップとって、プラグインもストップして、「更新」をぽちっと。
……自動アップグレードは楽ですねぇ(しみじみ)
ざっと見たところは問題なく動いてるっぽいので一安心。
コアファイルの修正は、しばらく前からほとんどプラグインで対応するように切り替えたのでなし。
(ちなみに、今回の変更点はこんな感じらしいです。)