『クシエルの使徒 (1)深紅の衣』[ジャクリーン・ケアリー/ハヤカワ文庫FT]

 中世ヨーロッパ風異世界を舞台にしたファンタジー小説、「クシエルの矢」に続く第2部の翻訳開始。ちなみにあとがきによると、第3部までがフェードル主役で、それ以降は主役交代となっているようです。

 国家滅亡の危機を乗り切り、一時の平和が訪れたテールダンシュ。フェードルも女伯爵として所領で穏やかに日々を送っていたが、姿を消した宿敵メリザンドと、彼女が送りつけてきた「挑戦状」を前に、再び波乱の中に身を投じることに……というのが今回の導入部。この巻は第二部序章というか新たな冒険に向かう下準備という感じで、宮廷陰謀劇が主軸となって動いていくので、物語全体としては大きな動きはなく。
 登場人物絡みで個人的に思わぬ展開となったのが、第1部で築かれたジョスランとの関係がああいう風になってしまったことでしょうか。いや、彼の信条とか何やらを考えれば、確かにそうなることも十分理解はできるのですが……第1部初期のようにお互いが毛嫌いしてるわけではないので、拗れてしまった関係にはなんとも複雑な心境になってしまいます。……しかし、ジョスランも思い悩んでいるとは理解しつつ、それでも今回の彼にはうーんと思ってしまうのは避けられなかった。レギュラー昇格の「フェードルの野郎ども」3人が良い味出してるから、余計イライラしてしまうんだろうなぁ……まぁ、彼に関してはここからの挽回を期待してます。一方のフェードルは、そんなジョスランとの関係に傷つきながら、そこにも新たな快を見出してしまうというMらしい逞しさ(?)を発揮。つくづく、彼女の性癖は良いのか悪いのか悩むところです(苦笑)

 さて、宿敵の影を追って旅に出たフェードルたち。新たな国で、彼女たちはどのような出来事に対峙することになるのか。物語が動きはじめたところで幕となっているので、早く続きが読みたいですね。

作品名 : クシエルの使徒 (1)深紅の衣
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著者名 : ジャクリーン・ケアリー
出版社 : ハヤカワ文庫FT(早川書房)
ISBN  : 978-4-15-020506-5
発行日 : 2009/12/19

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