1002購入メモ(その2)。

『子守り魔王と姫騎士団長』[夕鷺かのう/B’s-Log文庫]【amazonbooplebk1
『送り人の娘』[廣嶋玲子/カドカワ銀のさじシリーズ]【amazonbooplebk1
『狼の口 ヴォルフスムント 1』[久慈光久/BEAM COMIX]【amazonbooplebk1
『路地恋花 1』[麻生みこと/アフタヌーンKC]【amazonbooplebk1
『作家の酒』[コロナ・ブックス]【amazonbooplebk1

『子守り魔王と姫騎士団長』[夕鷺かのう/B’s-Log文庫]

 昨年『ヤンキー巫女逢桜伝』でデビューされた作者さんの新作。今度は南米方面の神話を下敷きにした異世界ファンタジーでした。作品背景のイメージは欧州が植民地支配に乗り込んだあとの南米(実際より遥かに温いけど)となるでしょうが、南米風味はそれほど強くなし。ちょっと残念。

 『ヤン巫女』の作風を期待してると肩透かしを食らいますが、話的には展開にしろ登場人物にしろインパクトには欠けるけれど、まぁ、その分無難に普通に面白かったかなーという感じ。個人的には元になってる神様関係ネタの使い方にニヤニヤできたので満足ではある。
 登場人物については……とりあえず、ヒロインは普通に苦労人&良い子ではあるんだけれど、なんというかこう、もう少しセールスポイントがあってもいいと思った。いや、良い子ではあると思うんだけど、ねぇ……。魔王(仮)はあらすじ通り確かに良い人だった。副長もほどよく良い人。シリーズが続くなら、天然にぶにぶな騎士団長と魔王のやりとりに、副長がいらいらすることになんだろうなぁと想像するだけでニヤニヤできる(不気味) キャラ的に一番気にいったのは某黒幕な人だったので、次以降もちょっかいかけてくれることを祈ります。その他、王様はももっと頑張ってください、お義母様は私のストレス値を上げないためにもう少し歩み寄……るのは無理でも私情挟みまくらないでください(私のストレス値をあげないために)、とわりと切実に思った。

 神話ネタ的にもこれから先どういう展開に持っていくのか気になるので、続きが出ると良いなーと思います。

作品名 : 子守り魔王と姫騎士団長
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著者名 : 夕鷺かのう
出版社 : ビーズログ文庫(エンターブレイン)
ISBN  : 978-4-04-726311-6
発行日 : 2010/2/15

『Replace』[柏枝真郷/幻狼FANTASIA NOVELS]

 父が事故死してから何とか続けてきた家業(本屋)の廃業が決まり、就職活動を始めた青年・亀尾駿馬。馴染みの客から紹介された派遣会社を訪問しようとしたところ、偶然すれ違った美女に気を引かれふと気がついたら探偵事務所に就職することに!……という導入から始まる、東京下町を舞台にした探偵物語。ちなみに公式のあらすじでは「ディテクティブコメディ」となっていますが、コメディというほどコメディ成分が高くなかった気がする。

 地味に面白かったです。主人公の駿馬は特殊能力持ちだけど、その能力に頼ってばかりというわけでもないし。探偵事務所の面々もなかなか個性的だし。事件そのものもそこまで深刻なものではないし。なんというか、全体的に程よい軽さ、というか。読んでいて、ちゃんと地に足がついている、妙な安心感がありました。……まぁその分、派手さには欠けるので、「地味に面白い」としか言いようがないのは困りものですが。でも、こういうのほほんと楽しめる作品は好き。

 とりあえず駿馬の初事件は幕を閉じましたが、この先はどんな事件が舞い込んでくるのか。そのうち続きが読めると嬉しいなー。「Calling」(NY舞台の消防士もの)と交互ぐらいのペースでシリーズ展開されると良いのに。

作品名 : Replace
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著者名 : 柏枝真郷
出版社 : 幻狼FANTASIA NOVELS(幻冬舎)
ISBN  : 978-4-344-81861-3
発行日 : 2010/1/29

『ミストスピリット―霧のうつし身 (1)遺されし力』[ブランドン・サンダースン/ハヤカワ文庫FT]

 「Mistborn trilogy」の第二部にあたる『Mistborn: The Well of Ascension』、翻訳開始。なお、訳者あとがきによるとシリーズタイトルが「ミストボーン」ではなく「ミストスピリット」になったのは大人の事情らしい。

 支配王が斃れて一年。青年貴族エレンドが王位についた〈終の帝国〉の都ルサデルは、しかし、平穏とは程遠い状況にあった――という状況から幕を開けた第二部。第一部では脇役というかサブキャラぐらいの立ち位置だったエレンドが、もう一人の主役といってもいいような扱いになっててちょっと吃驚しました。まださすがにケルシャーほどの存在感はありませんが、ヴィンと同じく彼もこれから(良くも悪くも)変わっていくんだろうなー(そして、エレンドの変化にちょっと複雑な気分になるヴィンがかわいかった) ヴィンはあらすじで姿が見えなかったので「まさかの主役交代か!?」と勝手に思ったりもしましたがそんなことはなく、今回もメイン。エレンド関係や周囲の評価に揺れたり戸惑ったり歳相応の顔を見せる一方で、「霧の落とし子」として自在に王都を駆ける姿がとても格好良かったです。彼女の相棒となるわんこ(というかなんというか)も捻くれかわいい。その他、第一部からの登場人物たちが思わぬ面を見せたりする一方、新たな登場人物も物語を盛り上げていってくれます。
 話としては、まだ前哨戦というか、状況の説明と整理をしつつ新しい展開へ向けての伏線を張り巡らしていってる段階。エレンドは主に政治的な問題に、セイズドは歴史の中に埋もれ失われた記録に、そしてヴィンは最強の「霧の落とし子」としてエレンドの護衛を務めたり支配王の記録に当たってみたりと、様々な問題に対処していくことに。第一部はエンジンかかるまでに若干時間がかかった印象があるのだけれど、「ミストスピリット」は最初から話がぐいぐいと進んで行って面白い面白い。ある意味、第一部が第二部のエンジン役を果たしているのかなぁとも思う。

 次巻で役者が揃うとのことなので、そこから本格的に話が動いていくのでしょうが、いったいどんな展開が待っているのか。とても楽しみです。

作品名 : ミストスピリット―霧のうつし身 (1)遺されし力
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著者名 : ブランドン・サンダースン
出版社 : ハヤカワ文庫FT(早川書房)
ISBN  : 978-4-15-020509-6
発行日 : 2010/2/10

1002購入メモ(その1)。

『姫君返上! 運命を試す者』[和泉統子/新書館ウィングス文庫]【amazonbooplebk1
『幕末魔法士 -Mage Revolution-』[田名部宗司/電撃文庫]【amazonbooplebk1
『ヴァンダル画廊街の奇跡』[美奈川護/電撃文庫]【amazonbooplebk1
『やわら侍・竜巻誠十郎 寒新月の魔刃』[翔田寛/小学館文庫]【amazonbooplebk1
『紅蓮の狼』[宮本昌孝/小学館文庫]【amazonbooplebk1
『王朝まやかし草紙』[諸田玲子/新潮文庫]【amazonbooplebk1
『分解』[酒見賢一/ちくま文庫]【amazonbooplebk1
『虐殺器官』[伊藤計劃/ハヤカワ文庫JA]【amazonbooplebk1
『Self-Reference ENGINE』[円城塔/ハヤカワ文庫JA]【amazonbooplebk1
『ミストスピリット―霧のうつし身 (1)遺されし力』[ブランドン・サンダースン/ハヤカワ文庫FT]【amazonbooplebk1
『B.A.D. 1  繭墨は今日もチョコレートを食べる』[綾里けいし/ファミ通文庫]【amazonbooplebk1
『銀漢の賦』[葉室麟/文春文庫]【amazonbooplebk1
『武士道シックスティーン』[誉田哲也/文春文庫]【amazonbooplebk1
『人生を変えた時代小説傑作選』[文春文庫]【amazonbooplebk1
『幻人ダンテ』[三田誠/講談社ノベルス]【amazonbooplebk1