本屋でたまたま見かけてタイトルに思いっきり吹いて、そのままつい購入してしまった一冊。「つい」で買ってしまうあたりがいろいろと間違ってるような気がしなくもないけれど、まぁ気にしない。
内容は、ある日突然、江戸の街に溢れだした屍僕(ゾンビ)謎を探るべく、側用人・柳沢吉保に命じられた俳人・松尾芭蕉が、屍僕と化した従姉に襲われながら辛うじて難を逃れた少年・曾良とともに、江戸をあとに奥州へと旅立っていく――という感じ。
なんというか、うん、タイトル見た時点で「なにこれおかしい」と思いましたが、読了した感想も「なにこれおかしい」の一言に尽きますね。
基本的には、屍僕をばったばったと薙ぎ倒しながらの旅路で、お約束の通りその過程でいろいろと謎が明らかになっていったりするんですが、まぁそれはわりとどうでもいいような気がしなくもなく(←待て) ……いや、お話的に面白くないというわけではないんですが、それよりも個性的にすぎる登場人物や妙な勢いに吞まれてしまって、それが二の次になってしまったというだけなんですが。どうでもいいけど、ゾンビに某法が適用されたという一文には大爆笑したなぁ。どんな冗談だよそれ!とツッコミいれたのは私だけではないと思いたい。
登場人物では、とりあえず、ゾンビに襲われてようがなにしようが俳句を詠む&ほとんど無双状態じゃないか?という芭蕉先生がシュールだった。あと、男の娘な曾良とか、登場人物が揃いも揃ってどこかおかしかった。
なお、この一冊で完結ではなく、いろんな意味でこれからどう話をまとめるのか気になるところで以下続く、となっています。ここで終わりだとどうにもおさまりが悪すぎるんで、続編も出ると良いなーと素直に思います。
2011年8月の購入予定。
毎月恒例購入ほぼ確定組の自分用備忘録。
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「好きなライトノベルを投票しよう!! 2011年上期」に投票してみる。
いちせさん主宰の「好きなライトノベルを投票しよう!! 2011年上期」、最近それほどライトノベル読んでない気がするのでどうしようかなーと思いましたが、せっかくなので。
世間の評判とかお構いなしに、思いつくままにリストアップ。
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『吉原夜伽帳-鬼の見た夢-』[ミズサワヒロ/小学館ルルル文庫]
舞台が吉原ということでちょっと気になってはいたルルル文庫新人さんの作品。なんちゃってだったら嫌だなぁと思ってたのですが、周りの評判も悪くなかったので購入しました。
吉原が舞台ですがいわゆる濡れ場はほとんどなし(ヒロイン格となる少女・末葉が水揚げ前の禿だというのもあるかもしれませんが、まぁ、レーベルの問題が大きいのでしょうね……) しかし、苦界に囚われた女性たちの悲痛な嘆きの声が、どこからともなく聞こえてくるような雰囲気はよくできてると思いました。
「視る」能力を持つ吉原の中見世「雪柳」の伎有・弥太郎は、ある日、天才的な仏師に身受けされた花魁・東雲が不審死したと、仏師の弟子だという男から聞かされた。生前の東雲と親しかったわけではないが、交わした会話が記憶に引っ掛かっていた弥太郎は、彼女の死の真相を探ることにした――というのがとてもざっくりとしたあらすじ。
事件の真相は、トリック云々よりもそこに至った経緯・関係者たちの心情が「ふむふむなるほど」という感じでした。正直、もう少し書きこんであっても良かったようなと思わなくもないけど、そうなると完全にルルル文庫のカラーじゃなくなるなぁとも思うので、適度にしっとりさっくりなこれぐらいでちょうど良かったのかもしれません。
登場人物については、主人公の弥太郎と末葉をはじめ、友人の絵師・八重垣や末葉の姉女郎・夜菊などのサブキャラ、その他脇役がそれぞれ味があってよかった。個人的には夜菊姐さんが好きです。ぼんやりしてるというか難しいことは考えてないというか、まぁ、そういう人なんですが、この人のそれって生まれ持った性質以上に自己防衛の末の産物なんだろうなぁというのがなんか切なくてね……。おにぎりの話は、ちょっとじんわりしました。あと、何気に「雪柳」のおかみさんとか弥太郎の同僚の吉次さんとかも好き。
お話としてはこの一冊で完結でも、シリーズ一作目でもいけそうな。弥太郎の背景とか思わせぶりに匂わせてるだけだし、シリーズ化してその辺が語られるといいな、と思います。
宝塚に『ファントム』を見に行ってきた。
屋根裏物置のさりさんに誘っていただいて、初めてのヅカ体験です。まろんさんとDkの二人もご一緒に、ぷちオフ会状態。
関西居住組は早めに集まって、本屋さんを物色したりホットケーキ食べたりと、時間までわりとまったり。
現地集合のでるたさんはトラブルもなく無事に着きそうで面白くな……、なによりだと思っていたら、まさかの降りるバス停間違えたというツイートに場が沸いた。さすがのでるたんクオリティ。
それはさておき、宝塚。演目は『ファントム』、いわゆる『オペラ座の怪人』ですね。
原作はざっとしたあらすじぐらいしか知らないのですが、演出と役者さんのおかげか、想像していたより鬱々とした話ではなかったです。
とりあえずお話に関しては、ファントムも伯爵も振り回されてかわいそうだなおいと思ったり、元支配人とファントムの和解の場面が私の中で盛り上がりすぎてあれもうこれここで幕でよくね?と思ったり(ヒロインの存在忘れてる)しました。
役者さんの巧拙はもう全然分からないんで、難しいことを考えずにうわーすごいなーと思いながら見てました。中でも印象に残ったのは、ファントム役の人と元支配人役の人、それからカルロッタ役の人かな。実に良いお声でした。
で、そんなこんなで劇が終わったあとですよ。一度幕が降りたあとのフィナーレがすごかった。とてもすごかった。大事なことなので以下略。
さりさんとこんこんさんいわく、今回はまだまだ全力じゃなかったらしいのですが、全力だったらどんななんだ……別世界を垣間見た気がしました。
そんなこんなの初宝塚でした。最後はきらきらと孔雀に全てを持っていかれたように思います。うん。