WPのテーマを「Twenty Seventeen」に変更しました。

長らく使用していた自作テーマから、ここしばらくもそもそとカスタマイズしていた「Twenty Seventeen」に切り替えてみました。
まだまだ細かい部分調整しないといけないんですが、まあ気長にやっていこうかと……。
(途中で力尽きたらまた前のテーマに戻す可能性も無きにしもあらず)

『神さまの百貨店 たそがれ外商部が御用承ります。』[佐々原史緒/富士見L文庫]

ジャンル・お店ものと並んでここ数年よく見かけるように思う、仕事やなにやで神様・妖かしと関わることになった人間のお話。あらすじ読んで面白そうだったので、購入してみました。

タイトルからもわかるとおり、話の舞台は老舗百貨店の外商部。ある時を境に睡眠障害と幻覚を見るようになった主人公の美苑。実は幻覚ではなく、「人ではないもの」が視えるようになったがために本店の「特別なお客様相手の外商部」に異動になって――、という導入。
お客様は(比喩ではなく)神様なので価値観が違ったりわがままだったりするけれど、かわいげがあって憎めないし、主人公の美苑もしっかり責任と誇りを持って仕事に臨む良い娘だし、特別外商部の他メンバーもそれぞれキャラが立っていて、登場人物は全体的に好感が持てる感じ。
そんな登場人物たちを配置して、美苑(ともうひとり)が睡眠障害になった原因をひとつのキーとしながら展開される3つのお話は、ユーモラスなだけではなくちょっと切ないところもあり。良い意味で、最後までさらっと、楽しく読めた1冊でした。これ1冊でまとまっているけれど、もし続編があったらどんな話がでてくるのか気になるところではあります。

作品名 : 神さまの百貨店 たそがれ外商部が御用承ります。
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著者名 : 佐々原史緒
出版社 : 富士見L文庫(KADOKAWA)
ISBN  : 978-4-04-072215-3
発行日 : 2017/3/15

『先生とわたしのお弁当 二人の秘密と放課後レシピ』[田代裕彦/富士見L文庫]

富士ミス時代から何気に好きで購入している田代先生の新刊。現代日本を舞台に、料理研究家の父を持ちながら自分では料理ができない女子高生ちとせと、ちとせの父の料理教室に通っていた縁で彼女の弁当を作ることになった小匣先生の、お弁当に絡んだ謎を描いた日常の謎ミステリー。

読後真っ先に思ったのは、「先生の作るお弁当とても美味しそうだなあ」で、平井骸惚1巻のコロッケの描写を思い出してました。あれも美味しそうだった……。
それはさておき、主人公のちとせが女子高生なこともあってか、発生する小さなトラブルや謎はそれほど深刻なものではないので軽く読める一方、その疑問を解き明かす流れはしっかりとしたものでとても面白かったです。一番気に入ったのは3話目、幼い頃に亡くなったちとせの母親が作ったお弁当について話。ちとせの事情を絡めての着地のさせ方が上手というかやさしいというか。あと、話が進むにつれて先生だけじゃなく友達との関係が進展していってるのにも心温まりました。

設定的にもしばらくは続いて無理はないと思うので、シリーズ化されるといいなあと思います。

作品名 : 先生とわたしのお弁当 二人の秘密と放課後レシピ
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著者名 : 田代裕彦
出版社 : 富士見L文庫(KADOKAWA)
ISBN  : 978-4-04-072216-0
発行日 : 2017/3/15

『ただいまの神様』[鈴森丹子/メディアワークス文庫]

人の世を気ままに放浪している根無し草の神様たちが、それぞれに身動きができなくなっている人々の縁結びに一肌脱ぐお話、第2巻。今回はバイトに勤しんでいる川の神様の代わりに森の神様(外見はエゾリス)が登場。展開的には前巻と同じくで、動物の姿のときも人間の姿になっているときも奇跡を起こすでもない神様たちに、登場人物たちが自身の思いや悩みを吐露することで、やがて行動に移っていく、という感じ。なんだかんだ、話しやすい距離にいてくれる神様たちは、そのときどきの行動が微笑ましい。あとやはり、もふもふは正義。
恋のお話のほうは、前巻以上に関係性が狭いと思いましたが、あとがきによれば前巻は「友達」、今巻は「家族」をキーにしたそうなので仕方がないのかも。前巻で転勤していった彼が、新天地で新たな恋に出会えたのはよかったなあと思いました。

山の神様のマヨネーズ、川の神様のチョコレートに続いて今度はコーヒーにハマる森の神様。また続編があって別の神様が出てきたらどんな外見で何にハマるのか、考えるのはちょっと楽しい。あと、「縁結びの神にそっぽを向かれている」ミヤダイ君にも春がくることを願ってます。……ちょっと思い込み強そうだけど悪い人ではないから、あの空回りっぷりがなんか読んでて気の毒になるんで……

作品名 : ただいまの神様
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著者名 : 鈴森丹子
出版社 : メディアワークス文庫(KADOKAWA)
ISBN  : 978-4-04-892600-3
発行日 : 2017/1/25

『おかえりの神様』[鈴森丹子/メディアワークス文庫]

人の世を気ままに放浪している根無し草の山の神(外見は狸)と川の神(外見はビーバー)。しばらくぶりに東京のとある街角で再会した二柱の神様が、暇なら手伝ってくれと縁結びの神様に頼まれて縁結びに一肌脱ぐ、というお話。

神様、と言っても神通力を使って問題を解決してくれるわけではなく、気ままに振る舞う神様たちとそれぞれに縁を持った男女4人が、彼らと話をするうちに自分を省みたり一歩踏み出したりする、という展開。力強さや威厳はないけれど、そこにいるだけで気が休まって不思議と心強くなる、愛らしくて憎めない神様が良い感じでした。もふもふは正義。
人間たちの恋模様は、ちょっと関係狭いな?と思わなくもなかったですが、まあこれはこれで。4話目主役の布袋さんは、好き嫌い別れそうだなあと思った。

読んでてほのぼのするというかにこにこしてしまうというか、とにかく和む話でした。続編が出るといいなあと思ってたらつい先日発売されたのはちょっと嬉しかったです。

作品名 : おかえりの神様
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著者名 : 鈴森丹子
出版社 : メディアワークス文庫(KADOKAWA)
ISBN  : 978-4-04-892189-3
発行日 : 2016/6/25