8月のエリザベートに続いてのチケ難公演、運良くチケットゲット。雪組現トップコンビは歌がうまいことで有名なので、残念音感の持ち主なりに「そんなにすごいのかー楽しみだなー」とワクワクしながら劇場に足を運びました。
以下、歌の良し悪しがあまりよくわからない(よっぽどでないかぎり、なんだかんだ皆さんうまく聞こえる)人間の、簡単な箇条書き感想。
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『怪奇編集部『トワイライト』3』[瀬川貴次/集英社オレンジ文庫]
大学の先輩の紹介でUMAや怪奇現象を扱う雑誌の編集部でアルバイトをすることになった大学生・駿(実家は神社で人並み以上に超常現象を呼び寄せやすい性質)が遭遇する出来事を描いた短編集、第3巻にしてシリーズ完結巻。
今回収録されているのは全部で3話。佐藤頭さん活躍の1話や薔薇王院先生がトワイライト編集部に懐柔される、もとい過去を水に流して和解する2話も面白かったですが、一番比重が大きいのはこれまでの話で用意された伏線を回収していった第3話の「名残の夏」。バタバタとやや力技ではあったけれど、一応は問題解決(千夏ちゃんの問題同様、先送りになっただけと言えなくもない)でめでたしめでたし………かな? ともあれ、紆余曲折を経て、薔薇王院さんや○○様まで居着くようになったトワイライト編集部が今後もマイペースにいろんな事件を取材したり首を突っ込んでいったりする姿が目に浮かぶ終幕でした。
それにしても、設定的にまだ続けられそうなだけに、ここで完結なのが驚き。いや、シリーズ通しての懸案事項については一時棚上げというかなんというかで一応決着ついたし(根本的に解決してるかといえば、うん、まあ。)、2巻で分かった駿の事情とそれに絡んだ問題も一時棚上げ以下略だし………きりがいいといえば、きりが良いと思うんですが。よく考えたら相当に怖いはずの状況で、慌てたり騒いだりしつつもなんだかんだマイペースに事態を収拾する編集部の面々の対応力とノリがコミカルで楽しいシリーズだったので、もう少し続いてほしかったなあ。
「浪漫活劇 るろうに剣心」を観てきた話。
数年前、宝塚雪組で上演されたときはまだチケットの取り方すらよく知らず、誘っていただいて運良く観に行けた演目(当時は、その後自分も友の会に入るなんて思ってなかった)
今回は松竹・梅芸の主催(宝塚も協力)で事実上の再演ということで、悩みつつも「ご用意されたらー」ぐらいの気持ちで申し込みしたらご用意されたという、物欲センサーの存在をとても感じる過程を経て、先日観劇してきました。
以下、簡単な箇条書き感想。
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『ポーラの戴冠式 デルフィニア戦記外伝3』[茅田砂胡/C☆NOVELS FANTASIA]
『茅田砂胡全仕事』以来となるデルフィニア戦記外伝。雑誌「BOC」で連載されていた作品をまとめた連作集になっています。………どうでもいいけど、今年は懐かしい・しばらくご無沙汰だったシリーズの続編が発売される率が高い気がする。
今回収録されている作品は、「紅蓮の夢」(『茅田砂胡全仕事』収録)の補足的なお話。10年ぶりにデルフィニアに「降臨」した王妃と相棒、侍女を迎えたデルフィニアの人々の賑やかで輝かしい数日間が、様々な目線から描かれています。本編終了時にはまだいなかった子どもたち(たくさん)の視点もよく出てくるため、「これは誰の子供だっけ?」となることがしばしばありましたが、まあ、間違いに途中まで気が付かなくても致命的な問題にはならなかったからいいかという適当な気持ち。
あと、金銀黒三人組が前面に出るかたちではないことに加えて、剣の世界であるデルフィニアの人々の価値観で語られるためか、後の作品でやや鼻についたリィたちの言動や持ち上げはほぼ気にならず。「人の世の常識にとらわれない、人ならぬ身の王妃様(+その相棒)」の破天荒さと、そんな彼らとなんだかんだ言いながら親しく付き合っているデルフィニアの人々のやりとりが懐かしく楽しかったです。(「紅蓮の夢」はデルフィニアでの日常パートが少な目でしたからね) 個人的に好きな話は、描き下ろしのリィと魔法街のおばばの会話。他と比べると地味だけど、落ち着いた雰囲気が良かったなーと思います。
『スレイヤーズ16 アテッサの邂逅』[神坂一/富士見ファンタジア文庫]
富士見ファンタジア文庫30週年記念で企画された、本編完結から18年目にして発売となった特別巻。
いや、なんというか。読んでてブランクをほとんど感じなかったのがすごい。話の展開も登場人物たちの言動も以前のノリそのままで、最初から最後まで楽しかったです。
話としては、2部のメンバーは、まあ、状況や経過時間的に登場が叶いませんでしたが、1部&アニメで活躍したアメリア&ゼル(+α)が登場し、かつて手こずった敵の亜種(と表現していいのかな、あれは)と激闘を繰り広げるという流れで、オールスター集合しての映画版あるいはテレビドラマの時間拡大版的な印象。2部ラストで呪符を失ったことで使えない術は増えているものの、そんなハンデを感じさせず強かにハッタリで状況を動かしていくリナや相変わらず剣技に能力全振りのガウリイ、そこに加わるかつての仲間であるアメリアとゼル、共闘するエルフのアライナ。彼女たちが繰り広げる掛け合いも、相手の出方を読み合いながらの戦闘も、どちらも軽妙なテンポで楽しめました。完全なハッピーエンドとはいかない、ほんのりビターな結末もまた良し。
思いがけずに読めた本編の続き、思い出補正も少なからずあると思いますが本当に楽しかったし、懐かしかった。この後の話もまたいつか、何かの形で読めると嬉しいな、と思います。………割と真面目に、ここから第3部始まってもいいんじゃないですかね?