『火鳳燎原(台湾版) 29』[陳某/東立出版集團有限公司]

なんか現地で盛り上がってるらしい&流石にそんなにすぐに台湾に遊びに行く予定がないというわけで、通販で取り寄せた火鳳燎原最新刊。誤読しまくりだろうけど気にしないで(←気にしなさい)、簡単に感想。

28巻の時点ではどうやったら負けるんだこいつら、とか思っていた呂布陣営が一気に追い詰められていく展開が容赦ない。しかし、その追い詰められていく原因がよくあるような内部分裂とかじゃなくて、真剣勝負の結果競り負けたためというのがなんとも憎い演出だし、面白さに拍車を掛けてるなぁと思います。
で、28巻の予告どおり陳宮vs二~四奇+司馬懿の知略戦が繰り広げられるわけですが。陳宮の策も悪くなかったと思うんです。思うんですが、なんというかほら、流石に相手が悪かったという感じですかねぇ。あのメンバーが揃って行動すると、流石に凶悪だ。……ところで、作中トップクラスの仁者であるはずの荀彧が、何気に一番鬼な発言しているように思うのは、私の誤読なんだろうか(笑)
あと、小東西(呂布の娘)が健気で健気で泣けてきます。そして、そんな描写が短いながらも存分になされた直後に、あれは酷いと思います陳某先生(涙) この作品では彼とその一族(ネタバレなので固有名詞は伏せる)は悪役というか仇役というか、まぁ憎まれ役なんだろうなぁというのは思ってましたが、そういう位置づけであるにしても、あれはやっちゃいけないと思うんだ……。

と、いろんな意味で衝撃的な場面で以下次巻。30巻の次回予告となっているわけですがその文句が……これはいよいよ、来るべきときが来たか、という感じ。一体どういう風にその最期が描かれるのか、楽しみで仕方がありません。

台湾からのお届けもの。

注文してから3日でもう届いた。予想より早くて吃驚。
で、とりあえず絶代雙驕の1巻をぱらぱら流し見してみたのですが……なんか、邦訳版と開始場面が違うんですけどー。
えーと、つまり邦訳版は、双子の因縁の始まりともなる移花宮での話から悪人谷での話あたりをページ数か大人の都合かざっくり削ったということか。
それとも、確か邦訳3巻の予告が過去編みたいなことになってたから、とりあえず主役が活躍しだす場面を先に持ってきてこの部分は後回しにしたということなんだろうか。
……とりあえず、頑張って読もう。

2月1週目の購入メモ。

『神の守り人(上) 来訪編』[上橋菜穂子/偕成社ポッシュ軽装版]【amazonbooplebk1
『神の守り人(下) 帰還編』[上橋菜穂子/偕成社ポッシュ軽装版]【amazonbooplebk1
『てるてるあした』[加納朋子/幻冬舎文庫]【amazonbooplebk1
『むかしのはなし』[三浦しをん/幻冬舎文庫]【amazonbooplebk1
『狐官女 土御門家・陰陽事件簿 三』[澤田ふじ子/光文社文庫]【amazonbooplebk1
『死神の精度』[伊坂幸太郎/文春文庫]【amazonbooplebk1
『妙なる技の乙女たち』[小川一水/ポプラ社]【amazonbooplebk1
『君のための物語』[水鏡希人/電撃文庫]【amazonbooplebk1
『火鳳燎原 29』[陳某/東立出版集團有限公司]
『絶代雙驕 1~5』[古龍/風雲時代]

……いや、火鳳29巻がかなり盛り上がってるらしいと小耳に挟んで我慢できなくなり、思い切って通販を……。
1冊だけだと送料がアレなので、一緒に絶代雙驕も買ってみた。マーベラスと一緒に読み進めれば、もう少し台湾語読めるようになるかなぁ。

気になる……。

ぼけっとあちこち彷徨っていたら、こんな情報を発見。
京フェスって、話には聞いたこともあるし興味もあるけど、参加したことはないんだよなぁ……(←基本的に無精者)
しかし、仮にも日本ファンタジーノベル大賞ファンを自認する身としては、この企画本は読んでみたい。
合宿には参加が難しいけど、本会で配布されるなら参加しようかなー。

……しかし、改めて受賞者を書き出されてみると、(特に初期は)レベルが異常だよなこの賞。

『ラスプーチンが来た 山田風太郎明治小説全集11』[山田風太郎/ちくま文庫]

 山田風太郎の明治モノの中では珍しい長編作品。内容を一言で言うと、日露戦争時スパイとして様々な活躍をした明石元二郎の若き日の冒険物語。ちなみに、連載時のタイトルは『明治化物草紙』。その初出タイトルどおり、明石やラスプーチンだけに留まらず、乃木希介に二葉亭四迷に内村鑑三、チェーホフといった歴史上の面々も続々登場し、それぞれの形で話に絡んできます。

 とりあえず序盤のうちは、得体の知れない占い師・稲城黄天に目をつけられた令嬢・竜岡雪香を守っての破天荒な明石の活躍が痛快。やりこめたと思ったら反撃されて……と、手を変え品を変えての応酬が続く中、やがてラスプーチンまで来日・話に絡んできて、物語は意外な方向へ。小説ならではのifを重ねて紡ぎだされる「大津事件」の真相は、そういう風につなげてくるのかと感嘆することしきり。

 ……と、マクロでは間違いなく面白い作品なのですが、ミクロでは正直微妙に感じる部分もあり(個人的には、後半まとめに入りかけたあたりからやや失速した感がある) ラストも評価が分かれるところかなぁと思いますが、個人的には嫌いではないです。この敗北があって、序盤で述べられたような活躍に繋がっていくんだろうなーとか、その後をいろいろと想像できて楽しいので。

作品名 : ラスプーチンが来た 山田風太郎明治小説全集11
    【 amazon , BOOKWALKER
著者名 : 山田風太郎
出版社 : ちくま文庫(筑摩書房)
ISBN  : 978-4-480-03351-2
発行日 : 1997/10