数ヶ月遅れで開演となった、現雪組トップコンビ退団公演。運良くチケットがA・Bパターン両方でご用意されたので、感染予防に気を配りつつ観劇してきました。しかし、ずっと思ってるけど、今回は本当に久しぶりに心の底から、「なんでもいいから、とっととCOVID-19制圧されろ!!!」と思わずにはいられませんでしたね……(個人的には当初遠征予定だった友人が断念することになったこともだし、なにより、席数減とか諸々が……退団公演なのに、とどうしても思ってしまうというか)
以下、いつものようにあまり難しいことは考えてない感想です。
・「f f f-フォルティッシッシモ-」は、ベートーヴェン(以下、ルイ)の生涯をファンタジックな脚色を加えつつ描いた物語。
・史実は必要に応じて改変されてたり削られてたりするけど、この作品はあくまでも「ルイの見ている、見えている、見たかった世界を描いた」のだろうから、それも納得。
・年末に配信観劇した「No.9 -不滅の旋律-」とは、当たり前だけどアプローチが全然違った。それぞれの良さがあっていいよね。
・オーケストラピットが使えない今だからこその、ルイ(望海風斗)最初の登場シーン最高。
・いつもながら望海さんの声量が最後まで凄まじかった。
・ナポレオン(彩風咲奈)の、あまりにも早く生まれすぎた男、という描かれ方、嫌いじゃない。イタリア戦線(だよね、状況的に)でのカリスマ性発揮とか、確かについていきたくなる。
・ゲーテ(彩凪翔)は出番が少ないけれど、大局的かつ揺るぎない視点を持ってて強いな、と思った。ナポレオンに意見を具申する場面、大好き。
・謎の女(真彩希帆)、もっと超越的な存在かと思ってたら、いつの間にかルイと夫婦漫才繰り広げたりしててかわいかった。劇中劇のシーンで、物憂げにピアノの上に座ってる構図、良すぎませんか。あと言うまでもなく歌唱レベルが高い。
・ゲルハルト(朝美絢)とロールヘン(朝月希和)夫妻、ルドルフ大公(綾凰華)は癒やしの存在(特にルドルフ大公はあんなにつれなくされてるのになんて優しいのか) ……と思っていたから、終盤、泣いた。
・ストーリーテラー的なヘンデル(真那春人)・テレマン(縣千)・モーツァルト(彩みちる)のわちゃわちゃやってる天国三人組が、なんだかんだあってもこの3人も最終的には音楽バカよね!みたいな感じが楽しかった。
・メッテルニヒ(煌羽レオ)、この時代の貴族階級の価値観を具現化したかのような振る舞いも違和感なく演じておられて良かった。今回で退団されるのが、惜しいなあ……。
・サリエリ(久城あす)がものすごい陽キャだった。びっくりするぐらい陽キャだった。いや、物語的にはルイと敵対する側で実際「おーまーえー!」と言いたくなることもやるんだけど、お調子者感あふれてて憎めない感がすごい。出番少なかったけど、ロッシーニ(天月翼)も同系列っぽさがあった。
・劇中劇だけかと思いきや、ウェルテル(諏訪さき)とロッテ(沙月愛奈)が要所要所で不幸・死の象徴みたいな形で出てきて良い使い方だと思いました。
・実は最後まで「え、これはハッピーエンドと言っていいの?」と思ってたんですが、「アンコール!」でもう細かいことは置いといてハッピーエンドでいいか!!!となった。
・「シルクロード~盗賊と宝石~」は、もう少しきらびやかな場面多くても良かったかな……とは思ったけど、千夜一夜の市場からのハレムと、上海マフィアの「大世界」でオールオッケー!となった。生田先生と握手したい。
・菅野よう子さんの音楽も良きでした。オタク教養的に、馴染みがありすぎる。
・終盤、今回で退団される彩凪翔さんの「じゃあ、ね」に思わず涙が。A日程のみ、彩凪さんから宝石を奪っていく盗賊として朝澄希さん(同じく今回で退団ながら、出演者数制限のためA日程のみ)が登場するのもにくい演出。
・黒燕尾は良い文明。
・デュエットダンス、私が観劇した日に一度真彩さんがバランスを崩されたんですが、一瞬でフォローされた望海さんと阿吽の呼吸で立て直したお二人に内心でめちゃくちゃ拍手を送った。