つい先日、今年初の生観劇で宝塚大劇場に行ってきました。トップ娘役仙名彩世さんの退団公演になるので、取れてよかった……(ポーの一族、MESSIAH&BGと観て、この方好きだなあと思ってた)
以下、さっくり簡単な箇条書き感想。
・事前に評判軽く眺めたときに「一本物じゃなくて二本立て(芝居+レビュー)がよかった」という感想を見かけていて、そう言いたくなる方の気持ちもわかるような気はした。でも、今回はお芝居そのものがショーとの融合系みたいな印象を受けたので、個人的にはやっぱりこの形式でよかったと思う。
・演出家の方が、「楽しかったねと言ってもらえる作品創りが目標」「カサノヴァの伝記物語ではなく気楽に楽しむ娯楽作品として制作」と公式インタビューで語られておられますが、まさにそんな感じ。内容も音楽も、明るく気楽に観れる感じで面白かったです。というか、意識して観劇始めてからの花組の演目がしっとりめというか悲劇寄りというかだったのもあってか、こういう後味スッキリな作品は良いよね楽しいよね!と観劇後はややテンション高くなりました。
・ドーヴ・アチア氏提供の楽曲は、個人的にはすごく聴きやすかった。メロディが好き。
・喜劇と銘打ってるんだから、もうちょっとコメディ成分を増量してもよかったのにとは思った。
・明日海りおさん演じるカサノヴァ、本人は自然に振る舞ってるのだろうに行く先々で女性たちが彼の虜になっていくのが不思議なようで、でもまあわかるとなってしまう魅力がある(笑) ちょっと気障だけど嫌味はなくて爽やかな色男だった。ちなみに私が観た回、明日海さんのマントが馬車の扉に挟まっちゃって、「ちょっと待ってくれ、いや本当にちょっと待ってくれ!」みたいなことを言いながらマントを直したり、そのあとの歌の時にまいったねーみたいなジェスチャーされてたのがとてもかわいかったです。
・彼の運命の相手となる仙名さん演じるヴェネチア総督の娘(正確には姪)ベアトリーチェはやや猪突猛進型ではあるもののこの時代のひとにしては進歩的な思考の持ち主でとてもチャーミング。彼らの恋の結末(というかベアトリーチェの選択)は、作中で描かれた彼女らしいと思える良い終わり方だったと思います。
・柚香光さん演じる異端審問官コンデュルメルはカサノヴァと敵対する役なんだけど、なんかまあ微妙に空回ってて憎めない。加えて、鳳月杏さん演じる夫人(とてもセクシー)との関係が個人的にはツボだった(仮面舞踏会のときとか) この夫婦でスピンオフはありませんか?と思わず聞きたくなる。好き。
・カサノヴァの相棒あるいは悪友のバルビ神父、ベアトリーチェの侍女ダニエラ、その他のキャストも出番の差はあれどそれぞれ台詞や仕草から個性や強かな魅力が感じられてよかった。最終的にはダニエラの立ち位置が良かったなあ。
・それにしても、今回はとても席が近かった。びっくりするぐらい近かった。具体的には双眼鏡無しでもジェンヌさんたちの表情がはっきり見えるぐらい近かった。顔が良い方たちのキラキラを至近距離で浴びて、思考能力が麻痺しましたね……。
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