一昨年アニメ化された柳広司氏の小説、そのアニメ版をベースにした舞台(ややこしい)の第二弾。第一弾は東京公演だけでライビュも時間の都合でどうしても行けなかったので円盤待ちしましたが、今回は大阪公演があったので(もう一週間前の話)、日曜日の昼夜2回観てきました。以下、ネタバレ含む簡単な箇条書き感想。
・今回の舞台はアニメ8・9話「ダブル・ジョーカー」(原作小説の「幽霊」も組み込まれてる)とアニメにはなっていない「ワルキューレ」をメインに、「誤算」も少々、という配分。
・実質、2つのエピソードが同時並行で進んでいくので、場面転換がやや多め。原作知らない人は大丈夫だったのかな。
・情報量の多いOP。一度観たあとだと、また別の面白さもあった。
・「ダブル・ジョーカー」パート。アニメ版ベースなので、蒲生が風機関員に。蒲生を演じる君沢さんの声が個人的にとても好みだった。
・実井vs蒲生は格闘→絞め落としまでアクロバティックな動きがすごかった。リピートしたいので早く円盤がほしい。
・第2幕での、結城中佐の演技と表情が一変するところは、演じる谷口さんすごいな!となった。
・原作やアニメと違って、投げ捨てられない風戸中佐の胸中よ……。
・「ワルキューレ」パート、「雪村」は3パターンあったそうで。私が観たのは田崎と甘利。せっかくだから、神永パターンも見たかった……。
・個人的には田崎のほうが地味な青年っぽくて雪村らしいと感じたかな。逸見の前で本性出すときはどちらもはっとした。
・二重スパイ?なのか海軍に潜入しているという体なんだろうけど、D機関の人間が「雪村」というのはどうなんだろうなあと思わなくもなかった(あのエピソードは、本来は情報を共有しない陸・海軍のスパイ同士のやりとりとか、最後の雪村の感慨が肝だと思ってる) とはいえ、舞台演出的な制約もあるんだろうし、「雪村」もそれぞれの個性が観ていて面白かったので、これはこれでいいか、という結論に。(単純)
・レニが原作よりも出番が増えて、彼女なりに感じていた苦悩等も描かれてた。演じられたのが元宝塚の大湖さん(るろ剣で恵を演じられてた方)で、やはり華があって立ち居振る舞いが美しかった。登場されるたびに目が自然と追ってたわ……
・ゲッベルスとゲーリングの対立を描いた一方、ランゲのドイツ脱出が省略されてたけど、よかったのか? あ、あと台詞無しとはいえ総統が登場したのにちょい驚いた。
・「誤算」パート、端折った感がすごくてもったいなかった。つーか、アランの不憫度が増してたような……。あ、サポートに現れた神永の動きはすごかったです。
・そして最後の蒲生さんのアレは、ある意味原作小説回帰、と言っていいのか。いやでも、張がああだったってことは、その時点でどちらも互いを認識してたってことになる?
・メインの役者さんだけでなく、グラハムや逸見を演じた役者さんたちもそれぞれ魅力的な演技をされてて、とても良かった。
第三段がもしあるなら、「魔都」「蝿の王」「アジア・エクスプレス」あたりの組み合わせが良いんじゃないかと思うけど、これだと全員集合アクションシーン作るのが難しそうなのが難か。まあどういう形になるにしても、いつかまた、彼らの活躍を観ることができればうれしいな、と思います。