数多くの怪異が絡んだ作品を書かれている作者氏の新作。今回は、大学の先輩の紹介でUMAや怪奇現象を扱う雑誌の編集部でアルバイトをすることになった大学生・駿(実家は神社で人並み以上?の霊感持ち)が遭遇する出来事を描いた短編集。
読んでいて、以前に別名義で何冊か出されていた短編集を思い出しました。以前の短編集で、日常に紛れ込んだ怪異や異物を普通に受け入れている人々やその状況を俯瞰して見たシュールさというかなんとも言えないユーモラスさが気に入っていたのですが、今作はその雰囲気に近い日常系ミステリならぬ日常系ホラーというか。笑える部分もありひやっとする部分もあり、気軽に読めて楽しかったです。個人的には1話目の女性霊の話と3話目の開運グッズお試しの話が好き。
あとがきを読んだ感じでは、シリーズ化されるのかな? 駿や他の登場人物の設定掘り下げもできそうですし、楽しみにしています。
作品名 : 怪奇編集部『トワイライト』
著者名 : 瀬川貴次
出版社 : 集英社オレンジ文庫(集英社)
ISBN : 978-4-08-680112-6
発行日 : 2016/12/16