ふと気がつけば随分久しぶりのブログ更新です。……前回2月とかサボり過ぎにも程がありますな我ながら。
反省はさておき。
山田風太郎の著作『魔群の通過』を舞台化した「あかいくらやみ」、大阪公演初日を観劇して来ました。以下、演劇とか詳しくない人間の適当感想です。
物語の始まりは終戦直後。寂れた宿にやってきたのは二人の男女。何かに追われるような、あるいは何かから逃げるような風情のふたりとその夜宿に集った者たちは、幕末の悪夢に飲み込まれ――というはじまり。
『魔群の通過』の舞台化だと思えば、正直、かなり微妙な出来。私は、悲壮な行軍の果ての無残な仕打ち、酸鼻を極める復讐劇、そしてあの哀切に満ちた結末を観たかったんですな……。それ故に、今回の演出脚本において加えられたとある趣向(原作改変部分でもありますね)には首をひねらざるをえませんでした。
出演されている役者さんは、あいにくその方面に詳しくないのでどの方がどんな経歴なのかとかまるで分かっていないのですが(をい)、宿の案内婆さん(正体は……)を演じておられた白石さんの存在感が圧倒的だったなぁ。あとは準主役の小日向さんもよかったし、主演の小栗さんも好演されてたと思います。
まあなんだかんだ言いつつ、『魔群の通過』をベースにした別の話だと思えば、面白かったという気がしなくもない。7月にWOWOWで放送されるようだし、もう一回見るのも悪くないかなー。