『修羅場な俺と乙女禁猟区2』[田代裕彦/ファミ通文庫]

 大財閥・遠々原の創始者に養子として引き取られた少年・節。ある日突然花嫁候補だという5人の少女と同居することになったが、花嫁候補たちは遠々原――ひいては節を破滅させてやりたいと思うほど憎んでる。ただ一人、主人公を愛している「誰か」を選べなければ身の破滅――という、まさに人生のかかったゲームに取り組む節の運命やいかに!という、一種のコンゲームシリーズ2巻目。

 今回も面白かったー。いきなり親爺さんに「あと一か月以内で婚約者を選べ」と言われた節。折しも夏休みの臨海学校が始まるというタイミング。決め手を得ようとする節は、婚約者の一人・奥有楽乙音とひょんなことから交流を深めていくことに……という展開。そんなこんなで表紙にも描かれ今回メインになってる奥有楽は、探れば探るほど「正解」だとしか思えない……という。彼女が正解なのか否か悩み抜いた節の結論は、読んでからのお楽しみとして。1巻と比べて小細工もあって、終盤はいろんな意味で「あー」という感じでした。
 あと、あとがきにも書かれてたし作中で候補から外された子が指摘したりもしてますが、節が「正解」をあえて選ばないENDもありなのが面白いなーと思います。今のところ、節は「正解」が誰かを探ろうとしているものの、彼とメイドの睦月には彼らなりの目的があるわけで、その目的が達成できるなら相手は(極論してしまえば)誰でもいいわけだしなぁ。そのあたり、最終的に節がどんな決断を下すのかも含めて楽しみなところではあります。

 さて、あとがきによればこの先はまた違った展開もありそうで。これまでどおり1巻1殺としても、果たして次は誰がどんなことになるのか、続きが楽しみです。

作品名 : 修羅場な俺と乙女禁猟区2
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著者名 : 田代裕彦
出版社 : ファミ通文庫(エンターブレイン)
ISBN  : 978-4-04-727840-0
発行日 : 2012/2/29

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