『プリンセスハーツ ~大いなる愛をきみに贈ろうの巻~』[高殿円/小学館ルルル文庫]

 大国パルメニアを征服するという目的のため手を組んだ仮面夫婦と主従の戦いと、関係の変化を描いたシリーズ第11巻にして完結巻。

 感想。ルシードとジル、そして二人と同時代に生きた人々にとっては、ほぼグランドフィナーレ、という感じでした。シリーズ中の謎も大体は綺麗にかたがついたし、舞台から去った人たちもおおむねは自分の望みを叶えて(あるいは託して)去っていったわけだし。あえて言うなら、最後の最後なのにジルの知略が発揮される場面がなかったのは残念だったかもしれない、というぐらいかな。
 ……と、そう思って満足する一方で、読了からずっともやもやしてるのは、やはり遠征王の存在があるから、なんだろうなぁ。いや、全パルメニアもの通しての細かな矛盾は今さら指摘する気はありませんが(その辺は今に始まったことでもない)、ただ、今回のことに関してはこの時点でわかってるなら、何か対策を採っておけよ!と叫びたい。とても叫びたい。むしろ叫ばせろ、という心境。だって、この時点でなにがしかの対策してれば、イグナシオやオリエを襲った数々の苦難が防げたか少しはマシになっていたかもしれない……と思うとやりきれないですよ。バルビザンデもなんでまた急にああなったのか分からないままだし、なんか納得できなくてすっきりしない……。
 そんなもやもやを吐きだして少しすっきりしたところで、登場人物に関して。とりあえず勝って生き残った人々はお幸せに。リドリスは、それが目的なんだろうと思っていたとおりだったけど、最期の「遺言」が切なかった。あと、メリルローズは思っていたよりもずっと一途で哀しい運命の人だったなぁ、と。

 全10巻これにて完結。次はどんなお話が語られるのか。「そのとき」シリーズが再開されたら嬉しいんだけどなー。

作品名 : プリンセスハーツ ~大いなる愛をきみに贈ろうの巻~
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著者名 : 高殿円
出版社 : 小学館ルルル文庫(小学館)
ISBN  : 978-4-09-452209-9
発行日 : 2012/11/19

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