秘密結社によって「世界を滅ぼす」兇王子の一人として養育されながら、とある出来事をきっかけに結社から離反・兄弟同然に育った残り五人の兇王子と死闘を繰り広げる宿命を負った青年・ギヴァの苦闘記。2巻まではコバルト版の復刊でしたが、3巻以降は完全新作。そして、先日発売された『レイバリの書』をもって無事にシリーズ完結。
……コバルト版から数えて十数年。途中で続きが出なくなったあのシリーズやこのシリーズも、信じていれば続きが読める日も来るのだろうか(遠い目)
個人的な感慨はさておき、シリーズ完結しての感想は……「これ、コバルト版のまま話が進んでたらどんな結末になってたんだろう?」の一言に尽きるような。いや、幻狼版ではアンドレッティというキャラが追加されているんですけど、彼が思いのほかいい立ち位置を与えられてまして。彼がいなかった場合、結末はもっとダークな雰囲気になってたんじゃないかなぁと思いました。しかし、ズタボロになりながら必死に戦った結果がこれとは、ギヴァもアンナ・マリアも報われないよなぁ……
あと、作者氏の文章のクセなんでしょうけど盛り上がってしかるべき場面でもわりと淡々と読めてしまうことに、若干もったいなさを感じたり。まぁこれは個人の好みもあるでしょう。
とにもかくにも、思いがけず完結したことがなにより嬉しいシリーズでした。幻狼さんは他にもいろいろと拾ってくれてもいいのよ?
作品名 : 六人の兇王子V レイバリの書
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著者名 : 荻野目悠樹
出版社 : 幻狼FANTASIA NOVELS(幻冬舎)
ISBN : 978-4-344-82299-3
発行日 : 2011/8/30