『Mistborn: The Hero of Ages』、邦訳版第2巻。解放された〈破壊〉神を再び封じるため、奔走するヴィンたち。しかし、事態打開のための一手はなかなか見つからず、相手に徐々に追い詰められていき……という展開。
読後真っ先に思ったのは、「え、あと1冊で終わるんだよねこれ」でした。いや、確かに終幕に向けていろんな謎――尋問官、カンドラ、コロスがどのように生み出されるか(予想以上にアレだった)とか、〈破壊〉神と〈保存〉神の関係とか、そういった部分の謎は明かされつつあるのですが、物語的には主要人物がさらに泥沼に嵌まっていってるというか。最強の戦力となるヴィンが、油断もあってこれまでで最大級のピンチに陥ってしまったり、スプークは相変わらず死亡フラグがげふんげふんだったり。つーか、テン=スーン視点は爽快感が勝っていたけれど、それ以外は溜めが多くて……一体ここからどうやって巻き返すんだー!と叫びたい気分にかられました。
ともあれ、残り一冊。果たしてヴィンたちの戦いがどのような結末を迎えるのか。1月予定の最終巻でどれほどの「雪崩」が起きるのか、とても楽しみです。
作品名 : ミストクローク―霧の羽衣 (2)古からの声
著者名 : ブランドン・サンダースン
出版社 : ハヤカワ文庫FT(早川書房)
ISBN : 978-4-15-020524-9
発行日 : 2010/11/24