『レッド・アドミラル 潜入捜査は戦乱の幕開け』[栗原ちひろ/角川ビーンズ文庫]

 偶然の出会いからわけありの軍艦に配属されることになった軍人・ロディア(男装の麗人)とその仲間たちが活躍する、海軍出世物語第2巻。

 個人的には、話と全く関係のないところでテンションあがったよ!な第2巻でした。だって、敵国のアスファル帝国がどうみても中東方面っぽい設定で、出てくる人の名前出てくる人の名前もみんなちゃんとアラビア語とか、なにその私得すぎる設定……!
 こほん。少し落ち着いて、話の感想。ロディアの男前度が実に素晴らしかったです。敵国のハレムに潜入してもロディアさんはロディアさんだった。お姉様……いや、気持ちはわからんでもないけど(笑) あと、艦長のランセは正しく人たらしなので、なんというか、このコンビなんかある意味で最強じゃないか?と思ったりした。で、そんなロディアとランセが、今のところ恋愛よりも親愛が前面に出てて、「カップル」ではなくあくまで「コンビ」なのがまた良い良い。ストイックというのとはちょっと違うし、この先どうなっていくかもわからないんですけど、なんというか、うん、とりあえず戦友関係というのは良いものです。その他、レーン号の面々は1巻に輪をかけて輝いていたり、アスファルのこちらも(ある意味)個性的な皇子たちがまた面白そうだったり。キャラクター的にはおおむね文句なしで、楽しかったです。

 ストーリィ的にも1巻よりも戦争前の不穏な空気が強まっていたり、さらにその影では何かと不気味な旧神の存在があったり。全体的にはいろいろと動きつつもまだネタを仕込んでる段階です、という感じではありますが、それだけにこの先の展開が楽しみで仕方がありません。

作品名 : レッド・アドミラル 潜入捜査は戦乱の幕開け
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著者名 : 栗原ちひろ
出版社 : 角川ビーンズ文庫(角川書店)
ISBN  : 978-4-04-451415-0
発行日 : 2010/8/31

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