独自の信仰と文化を持つ山間の小国で、生後間もなく行方不明となった第一王子(候補)に仕立て上げられた少年(本人やる気なし)と周囲の人々が繰り広げる王道ファンタジー、第3巻。
感想。本人は相変わらず王様になるつもりは欠片もなくてなんとか逃げ出そうとしているのに、行動すればするほど墓穴を掘りまくるトゥラルクがとても気の毒で笑……涙を誘いました(棒読み) しかも、その行動力とか思い切りのよさとか、まぁとにかく本人の資質に惹かれるファン(違)も急増して、つくづく主人公体質な主人公だなー、と思ったり思わなかったり。現状も周囲の評価もトゥラルク本人には全くもって不本意なことでしかないでしょうけど、まぁもう諦めなよ、みたいな(適当)
前半は伯父に当たる貴族の暗殺計画を防げ!な内容で、わりと2巻と同じく軽く読めるノリの話だったのですが、後半は急展開。展開としてはある意味王道なんだけど、書き下ろしも含めて少ない出番で描かれた人柄が魅力的だっただけにやはり退場は残念だなぁ……。
ともあれ、思いがけずに訪れた激動の最中、いよいよ第一王子が決定したのですが、それで話がまとまるかといえばそうスムーズに話は進まないようで。次巻で行われる試練とやらがどんなものなのか、そして第二王妃陣営の次の動きは……etcetc。4巻ではどんな展開になっていくのか、とても楽しみです。……ロマンス成分はもう諦めたけど、アーミルのお姉ちゃんとかちょっとだけでも出てこないかしら。