悪人・善人・悪党・官憲・奇人・変人・人外などなど、一癖も二癖もある連中が入り乱れて繰り広げる馬鹿騒ぎを描いた「バッカーノ!」第11弾。
今回はまだ中世の錬金術師たちが不死となる前の、1710年に起きた出来事を綴った物語であり、1930年代ではテロリストとして名を馳せるヒューイの、おそらくは人生でただ一度の恋愛の物語。
やりきれない。その一言に尽きる話でした。いや、バッカーノ!でこういう話があるとは思っていなかっただけに、余計にそう思ったのかもですが……嗚呼……。
既刊での情報通りの結末ではあったけれど……もしかしてこれで上手くまとまったんだろうか?と一瞬思ったのに。むしろそうであってくれれば、と思ったのに。「何故、見つけてしまったんだ」から、そんな僅かな望みが叩き壊されていく展開にあうあうとなった。つーか、今回のエピソードのおかげで、このあとヒューイが何やっても許せそうな気がしてきた……(単純) あと、黒幕の人には相応の報いが下ってくれることを祈らずにはいられない。
この年代の次は邪悪な変態さんも語り手側にまわってくるようですが……どんな話になるのやら。1930年代、2000年代の続きと併せて気になるところです。
作品名 : バッカーノ!1710 Crack Flag
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著者名 : 成田良悟
出版社 : 電撃文庫(メディアワークス)
ISBN : 978-4-04-868459-0
発行日 : 2010/4/10