『白と黒のバイレ 黒き、呪いの舞台にて』[瑞山いつき/角川ビーンズ文庫]

 魔王にかけられた若返りの呪いを解く術を求めて旅立った姫君の物語、第2巻。今回は起承転結でいえば「承&転」、序破急でいえば「破」の巻だった印象。物語の展開が予想以上に早いので、5巻ぐらいで完結予定なのかな、と思った。

 登場人物的には、とりあえず侍女が強すぎる……!と思いました。セロとマルディシオンの認識&扱いが酷い(笑) あと、今巻から登場したうさんくさい婚約者との低温なやりとりが地味にツボにだった。もう一人初登場組の妹姫・レオノーラは、そういうキャラか!みたいな。相反する想いを抱く彼女の心をどう救済するのか、それとも……というのが、シリーズの肝になるのかな。
 一方、ブランカを巡る恋愛模様は、というと。うーん、セロの身分差主従らぶは大好物のはずなんだけど、なんでかあまりツボにはまらないんだよな……いや、ニヤニヤはするし美味しいな!と思う場面もあるのだけれど。これはやはりあれか、私が魔王びいきなせいか……。

 事前に予想していた以上の急展開で、もっと暗躍するのかと思っていた某お方はあっさり退場したものの、それを上回る(かもしれない)厄介な相手が表に出てきて。妹姫との関係も含めて、次巻はどういう展開になっていくのか。気になるところです。……あとなんとなく、魔王ルートはまだ諦めてません!と主張しておく。

作品名 : 白と黒のバイレ 黒き、呪いの舞台にて
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著者名 : 瑞山いつき
出版社 : 角川ビーンズ文庫(角川書店)
ISBN  : 978-4-04-449718-7
発行日 : 2010/4/1

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