昨年『ヤンキー巫女逢桜伝』でデビューされた作者さんの新作。今度は南米方面の神話を下敷きにした異世界ファンタジーでした。作品背景のイメージは欧州が植民地支配に乗り込んだあとの南米(実際より遥かに温いけど)となるでしょうが、南米風味はそれほど強くなし。ちょっと残念。
『ヤン巫女』の作風を期待してると肩透かしを食らいますが、話的には展開にしろ登場人物にしろインパクトには欠けるけれど、まぁ、その分無難に普通に面白かったかなーという感じ。個人的には元になってる神様関係ネタの使い方にニヤニヤできたので満足ではある。
登場人物については……とりあえず、ヒロインは普通に苦労人&良い子ではあるんだけれど、なんというかこう、もう少しセールスポイントがあってもいいと思った。いや、良い子ではあると思うんだけど、ねぇ……。魔王(仮)はあらすじ通り確かに良い人だった。副長もほどよく良い人。シリーズが続くなら、天然にぶにぶな騎士団長と魔王のやりとりに、副長がいらいらすることになんだろうなぁと想像するだけでニヤニヤできる(不気味) キャラ的に一番気にいったのは某黒幕な人だったので、次以降もちょっかいかけてくれることを祈ります。その他、王様はももっと頑張ってください、お義母様は私のストレス値を上げないためにもう少し歩み寄……るのは無理でも私情挟みまくらないでください(私のストレス値をあげないために)、とわりと切実に思った。
神話ネタ的にもこれから先どういう展開に持っていくのか気になるので、続きが出ると良いなーと思います。