池袋を舞台に、それぞれ何かがキレた連中が繰り広げる群像劇7巻。今回は小休止で、池袋の平和な(?)日常を扱ったエピソード4編を収録した短編集。
今回は微妙にリンクはありつつも各話が独立した話なので、気楽に楽しめた感じ。正直、最近の風呂敷広げまくり&殺伐泥沼&非日常に寄りすぎな本編よりもこういう日常と非日常がぐらぐら揺れながらある程度釣り合ってる(油断してるとひっくり返る)ノリのほうが好きだなぁ。
内容としては、1巻以来久しぶりに焦点が当たった矢霧姉弟と美香の話、粟楠組の赤林の話、静雄と前回エピソードで彼と縁を持ったヴァローナと茜の話、そしてセルティと新羅の話。全部読み終わって、「ああそういえば、『歪んだ恋の物語』というキャッチコピーだったなぁこのシリーズ」と思いだすなどした。
中でもトップクラスに歪んでるというか病んでる!と思ったのは矢霧姉と美香。誠二もたいがい変人なのに、二人が強烈なのでわりと常識人に思えてくるという。あと、前回初登場の赤林さんは、意外と良い味出してるキャラでした。過去の因縁からすると、本編でも刀関係に関わってくるんだろうか。シズちゃんは台詞だけ聞いてるとモテモテでした。実際は物騒な方向にモテモテなわけですが……まぁ、シズちゃんなら大丈夫だ(何が) あと、毎回のことながらトムさんの対人スキルの高さは地味に輝いてる。そしてセルティたちのいちゃいちゃぶりに、もはやこの二人ただの馬鹿ップルだなぁとなんとも生温かい目になりました。
さて、そんな平和な一日も終わり、またもや池袋では悪意を持った人間たちの暗躍が始まりそうで。次の巻はどんな展開になる事やら。