『金星特急1』[嬉野君/新書館ウィングス文庫]

年に一度、忽然と現れ、そして消失する「金星特急」。謎の美女・金星の花婿を選ぶという目的のほかは、行先も何もかも不明な特急電車が、今年は東京駅に現れた。金星の写真に一目惚れし、特急に乗りこむべく東京駅にやってきた高校生の錆丸は、同じくホームに現れた砂鉄、ユースタスと知り合う。なりゆきで同じ個室に乗り込んだ三人の、冒険の旅が始まった!

 「パートタイムナニー」『ペテン師一山400円』に続いての嬉野君さんの新作。これまで同様コメディかと思いきや、一寸先は闇どころか何が起きるか分からない列車に乗り込んだ面々の冒険ものでした。

 1巻はオーソドックスに導入編という感じ。錆丸達3人の人となりを説明しつつ、決して安穏としたものではない特急の旅路(突然どかんと車両が中の花婿候補ごと?潰れてしまうとか)が語られていきます。特急絡みだけでも、特急は本当に金星の婿選びのためのものなのかとか、花婿の選別基準が何かあるのかとか、白バベル黒バベルの存在とか謎だらけ。
 さらに舞台設定も、単純に現代or近未来設定ぐらいかしらと思っていたら、どうも歴史が「現実」のそれとは違っているようだし。単なるパラレルワールド設定なのか、それともこのあたりの差異も話に絡んでくるのかなぁ……とかいろいろ深読みしてみたり。
 登場人物関係は、錆丸はまぁ、おおよそ素のままかもしれませんが、砂鉄やユースタス、そして月長石は単純に金星の婿となるのが目的ではないでしょうし……うーむ、あらゆる方面で謎が多すぎる。

 途中乗車も途中下車も認められないシビアな旅で、この先どんな冒険行が繰り広げられるのか。先が全く読めないだけに単純にどうなるんだろう!と気になりますね。

作品名 : 金星特急1
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著者名 : 嬉野君
出版社 : 新書館ウィングス文庫(新書館)
ISBN  : 978-4-403-54148-3
発行日 : 2010/1/9

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