独自の信仰と文化を持つ山間の小国で、生後間もなく行方不明となった第一王子(候補)に仕立て上げられた少年(本人やる気なし)と周囲の人々が繰り広げる王道ファンタジー、第2巻。
今回の内容は、一言でまとめると「王子様世直しする」みたいな。トゥラルク本人にそう言ったら死ぬほど嫌がるでしょうが、あとから冷静に眺めるとそうとしか取れない行動とってるし。まぁともあれ、山賊育ちの利点というべきか、神殿や貴族といった普通なら二の足を踏むような相手でも「頭を叩けばいいんだよな!」と怯まず問題解決に首を突っ込んだり、その他にも世間の常識に囚われない自由な思考で行動するトゥラルクは、本人の気性がまっすぐなことも手伝って、少なからず苦笑しつつも見ていて気分が良いなぁと思います。……その代償に、いろんな意味で泥沼にはまっていってるのは、まぁ、ご愁傷様というか。でも、ヒルクィットも騒動を利用してる面はあるにしろ、なんだかんだでフォローに走るはめにもなってるんだから、せめて嫌みや説教は我慢しましょうね、という感じ(笑)
一方、彼を後見するヒルクイットの思惑やら何やらはなんとなーく見えてきたようではあるけれど、まだ情報が全部出揃っていない、という段階。次巻ぐらいからこっちの状況も大きく動いていくのかなーとは思いますが……トゥラルクがこのまま大人しく(?)彼の思惑に乗ったままでいるのかも含めて、いろいろ楽しみ。
さて、うっかり目立ちまくってしまったトゥラルクは、次はどんな騒動に巻き込まれるのか。今回知り合った2人の少年もまだ絡んできそうだし、この先どう話が展開していくのか、気になるところです。