タイトルがいろんな意味でインパクト大なB’s-Logの新人さんの作品。あらすじもわりと面白そうだったので、とりあえず購入してみた。……どうでもいいけど、「逢桜伝」とかいうから、てっきりヨシノ君は桜の御神木の化身なのかなぁとか思っていたのはきっと私だけではないと思いたい。
あらすじは、新米巫女・梓(物心ついて以来の不幸体質のおかげでいつのまにやらヤンキーに。両親との死別後、祖母に引き取られてなしくずしに巫女さんにクラスチェンジ)とクラスメイトで神様代理の少年・ヨシノ(本名:染井良信。本来は梓の暮らす神社に祭られているはずが目下行方不明状態の父親の代理として、否応なく連れてこられた半神半人。理系。)が、知行をほったらかしにしている産土神、つまりヨシノの父親を探すうちに、村で行われている祭りの奇妙なところに気がついて……という感じ。 話の筋は王道というかちょっと地味目で堅実というぐらいなのですが、語り手でもある元ヤンキーの主人公・梓と、彼女を取り巻く一癖も二癖もあるキャラたちが良い感じで盛り上げてくれて、テンポよく読み進めることができました。加えてシリアスとコメディのバランスも良い感じで、場面場面で思わず吹き出すことも多かったです。ちなみに一番笑ったのはやはりp179から始まる「残虐拷問」。あそこはイラストも手伝って大笑いしましたよ。その一方、シリアスなところはきっちり決めてくれるし、メリハリの利いた展開で最後まで楽しんで読めました。
キャラクター関係では、憎まれ口を叩きながら肝心なところではお互いを信頼して背中を預けている梓とヨシノ君の相棒関係が楽しかったです。ここから恋愛方面に発展するかは未知数、かな。あと個性の強すぎる神様もインパクト強かったし、梅ばーちゃんも好きだなー。
一応話は完結していますが、別に続きがあっても無理矢理な感じはなさそうかな。完全新作にしろ続編にしろ、次回作を楽しみに待ちたいと思います。