なんで1日だけ、しかもわざわざ造形芸術大で!(←単に、自宅とほぼ正反対の方向になるので、自分が行くの面倒というだけ)と呟きつつ、観にいってきました。
さすがに端折ってあるところも多かったけど、原作の雰囲気にに可能な限り近づけたという感じで、わりに楽しめました。そしてパンフレット見た段階では、「何かイメージ違うなぁ……」と思う配役が多かったけど、実際に動き始めると馴染んでくるというか。なんとなくそれぞれが「らしく」見えてくる不思議。
以下、印象に残ってる場面の簡単感想。
・春。オープニング、乙女の歩み(+あとからこそこそついていく先輩)の動きに合わせて背景の大道具を動かしていくのがちょっと面白かった。舞台道具ってこういう使い方もできるんだなーと思った。(ちなみに、この背景大道具の演出はこの後も良く使われる)
・東堂さんが良い感じに酔っぱらいのエロ&駄目親父。そして羽貫さんのハリセンツッコミ炸裂。
・先輩、やっぱりズボン盗まれてるw
・詭弁踊りはもっとうにょうにょっとしたのを想像してたけど、思っていたほどうにょうにょしてなかった。
・李白号初登場は音楽照明ともに派手派手だった。スモーク付。そして李白翁もそれに負けず劣らずの好演というか怪演だった。
・夏。背景の古書店がいちいち知ってる店だなぁと思うなど。
・「きつねのはなし」「太陽の塔、四畳半(略)」「ここ京都なんだから関係者来てたらどうするの!」……メタ発言だなぁw
・スイカ片手にくつろぐ李白翁がとても良い感じに厭味ったらしいです。
・いろいろあってひっくり返った李白翁の動きにw
・秋。緋鯉はやはり必須アイテム。
・「おまけにこの容姿だから恨みは数えてたらキリがない(正確な台詞は覚えてないけど要約すればこんな感じの発言)」……自信満々な事務局長。
・「プリンセス・ダルマ!」(びしっと決めポーズ)
・プリンセス・ダルマのときは、乙女と演技の仕方がちゃんと変わってる。
・おおお、事務局長がノリノリだ!
・「たまたま通りかかったものだから」……実際に聞くと無理やりすぎてさらに笑えるな。
・冬。心の声がちゃんと出てきた。
・原作よりも出番の増えた東堂さん。そんなに熱心に閨房調査団の活動に取り組まんでも。
・パンツ総番長と紀子さんのペアルック。ハートマークじゃないのはせめてもの良心?
・「……なぜだかわからないけど」「君にはわからないかな」……なんとも微妙な間と言い方に笑った。
・やっぱり第四章はファンタジー色が強いなぁ。地面を飛び跳ねてたとおもったら、一気に空中に浮かんでたような感じがする。
・空中を泳いで乙女のところに行く先輩。
・個人的にいまいちかなと思ったところその1。地の文を(ナレーションという形にしろ)、台詞で表現しすぎ。いくら文体に面白さがある作品とはいえ、いやそれは演出で表現できるだろうと思うようなところまで台詞になってて、なんだかなぁと思った(そしてちゃんと覚えてる役者さんえらいと思った)
・個人的にいまいちかなと思ったところその2。その1と関連して、台詞の多さを補うためか、全体的に早口になってるところが多かった。帰りに観劇されてた老夫婦が「なんや聞き取りにくかったなぁ」と話されてたのは無理ないと思ったよ。私もたまに「?」となったしな。
・個人的にいまいちかなと思ったところその3。役者の皆様好演はされていたと思うけど、たまになんか無理に声を張り上げてる?と思うところがあった。特に主役のお二方。まぁ、主役のお二方は初舞台ということで無理ないかもだけど。そう思うと、『エドの舞踏会』のときはやっぱりベテランの役者さんが揃ってたんだなーとしみじみ思いだした。
まぁ、そこを端折るのか、とかそういう風に演出するの?とか多少不満に思ったところもあるけれど、原作の独特の雰囲気をなかなか上手い具合に再現した楽しい劇でした。