悪人・善人・悪党・官憲・奇人・変人・人外などなど、一癖も二癖もある連中が入り乱れて繰り広げる馬鹿騒ぎを描いた「バッカーノ!」第10弾。
今回は1931年の補完編というか、以前に発売されたCDドラマのおまけ冊子「回想編」を、アニメDVD初回特典小説やDSゲームの設定もあれこれ盛り込みながら再編成した、という感じ。内容的には、クレアとシャーネが再会する経緯とか、グラハムとジャグジーの初顔合わせとか、ラッドの幼馴染の語る過去とか、DSゲームで2人の不死者と遭遇するはめになった黒服の彼の登場とか、いろいろと。……なんか私、ふと気がついたら現在のところは特典物もほぼコンプリートしてしまっているので既に頭に入っている内容が多々あり、新鮮味は薄かったような気がしなくもない。まぁ、加筆修正のあった部分も多かったし、普通に楽しめましたが。
一応メイン的扱い(なはず)のクレアとシャーネの再会までの経緯は、クレアの相変わらずの思考には苦笑しつつ、シャーネがジャグジーたちに感化されて次第にその心境に変化を生じさせていくのが微笑ましかったです。あと、ちょっと延長されたクレアvsグラハムでクッキーの名前が出てきたのになんだか笑った。そのうち、お友達(+護衛)と一緒に本編に出てきたりは……しないかなぁ流石に(笑) あと、幸運なのか不運なのか微妙な黒服ことアパム君は、エルマーの配慮も空しく結局名前覚えられちゃったんだねぇ……と思わず合掌。1935年以降の作品への登場フラグが成立したのは、彼にとっていいことなのかどうなのか。
そして次回は1710年。作者公認の「邪悪な変態」さんが本領発揮するらしいですが、一体どんな話になるのか。気になるところです。
“『バッカーノ! 1931 臨時急行編 Another Junk Railroad』[成田良悟/電撃文庫]” への2件の返信