それぞれの事情から、世界を統べる「ウィザード」のいる都・マギを目指して旅をする白魔女見習いの少女エメラルドと仲間たちの物語、第5巻。
サブタイトルからしてラグナが不憫な感じでしたが、実際に読むとやっぱり不憫というかなんというかでした。その他はといえば、ウィザードに関するあれこれや反ウィザード組織「真実の星」についてのあれこれが明らかになったりと、最終巻に向けて最後の準備の巻だったかなぁと。大きくはなくとも着実に話が動いていきました(しかし、最後に一つ爆弾あり) 各人の想いが錯綜する中、ハルベルト絡みの展開は一安心というところでしたが、あのラストから若者四人はどういう具合に着地するのか、気になるところ。
登場人物絡みでは、ウォレスとエメラルドの関係がさらに進展。ウォレスも随分「人間」らしくなりましたが、これがこの先どう響いてくるのやら。ラグナはいろいろ板挟みで可哀そうなことになってましたが……良い人ではあるんだけどなぁ、彼も。個人では。ただ、背負ってるものがありますからねぇ……。その他の登場人物では、とりあえずカルロスとミスラの夫婦が楽しかった。あと、ラド。この人こんなに面白いキャラだったっけ?と思いつつ、なんか後半は彼が出てくると妙に安心するというか気が抜けてしまうようになってました(笑)
さて、どうやら次で最終巻のようですが、はたしてどんな結末が用意されているのか。発売を楽しみに待とうと思います。